【漫画】故人の死化粧、遺族の意向を無視したら……? 体験談を元に描かれた漫画が泣ける
納棺師に死化粧、重くなりがちなテーマを扱いながらも、読後に不思議な温もりを残す漫画『納棺師が語るちょっといい話』がSNSで注目を集めた。作者・ババレオさん(@babareoyomeko)は、フォロワーから寄せられる体験談をもとに作品を作り続けている。
受け取った瞬間に「これはS級だ」と確信したという本エピソードは、どのように漫画に落とし込まれたのだろうか。SNSでの反響や創作への向き合い方、そして今後の展望までを聞いた。(小池直也)
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――Xでの手応えはいかがですか?
ババレオ:Xではそこまで反響は大きくありませんでしたが、Instagramではたくさんの方にいいねやコメントをいただきました。みなさん、ご自身の身内の死化粧にまつわるエピソードを書いてくださり、納棺師というお仕事の尊さを改めて認識しました。
――ババレオさんは、フォロワーからの投稿エピソードを漫画にしていますが、この話を最初に聞いた時の印象があれば教えてください。
ババレオ:いただいたエピソードには、自分のなかで何となくランクがあるんです。この話は最初に読んだ時から「S級だ!」と思いましたし、多くの人に広めるべき大切なエピソードだと思いました。ただ不思議なだけじゃない、ほっこりできる部分も含まれた夢のあるお話だなと。
――漫画にするときにこだわった点や、考えていたことなどはありましたか?
ババレオ:ずっと「おばあさんのおじいさんに対する気持ちを表すのに、最適な描写は何だろう?」考えていたところ、お気に入りの口紅を付けて、おじいさんに会いに行く絵が浮かびました。これを描けたことで漫画として締まったかなと思います。
――色々な体験投稿を受け取っていると思いますが、最も印象的だったエピソードをあげるとすれば?
ババレオ:たくさんあるので、ひとつを選ぶのは難しいですが、東日本大震災でお父様を亡くされた方の『パパがいなくなった日』というエピソードが1番印象に残っています。内容はお父様を亡くされ、お母様の再婚相手からDVを受け、自身も病気で苦しんだりとかなりヘビー。
でも最後は一筋の希望を持てるお話なんです。その作品を描いたことで、自分自身の漫画の表現力もひとつレベルアップできた気がします。今も3月11日が来るたび、この漫画を思い出しますね。
――そういった投稿を多数読むなかで、ババレオさん自身が発見したことや考えが変わったことなどはありますか?
ババレオ:これだけ多くの不思議体験を読むと、さすがに霊的な存在や神秘的な体験について信じてもいいのかなと思います。でも正直、今も100%は信じきれない部分もあるんですよ。その1番大きな原因が、僕自身がそういう体験をしたことがないからなんです。
そんな僕でも「これはさすがに作り話とは思えない」、「どう考えても現実的な説明がつかない」と思わされるエピソードばかり。こういった体験談を描く前は60%ぐらい信じていたのが、95%ぐらい信じるようになったという感じでしょうか。
――作画で気をつけていることなどもあれば知りたいです。
ババレオ:フルカラーにはこだわっています。僕は心霊体験や不思議体験、ほっこり話や面白話など幅広くフォロワーさんの体験談を描いていますが、カラーで描くことで幅広い表現ができるんです。
かなり面倒くさい作業ではあるのですが、完成した漫画を見ると自分でテンションが上がります。漫画を長く続けるのは大変なので、モチベーションを保てる、こういう刺激が大事なんですよ。
あとは、SNS上にはフルカラーで描いてる方はあまりいないので、フォロワーさんからも「丁寧に描いてるから好き」と言ってもらうこともよくあるんです。それも喜びになります。
――今後本シリーズはどのように描いていきますか?
ババレオ:体験談を送ってくださる方がいる限り続けていきたいと思っています。長年描いていると似たエピソードが出てくるのも事実ですが、切り口を変えたり新しい演出を考えたり、絵柄を少し変えたりして工夫しています。
そのためにも勉強が必要なので、たくさんドラマや映画・漫画を見るようにしています。体験談だけど、ただの出来事の羅列でなく、ちゃんと「ババレオの漫画」になるように日々努力し続けていきたいです。
――最後に2026年の目標をおねがいします。
ババレオ:フォロワーさんの体験談を描くアカウントとは別に、奥さんとの日常エッセイ漫画を描いているアカウントがあるんです。そちらは全然内容が違って、大好きな奥さんの魅力や、僕のプライベートな一面を描いています。
そちらでも紙書籍を出せたらと思っているので、それに向けてたくさんの方に支持してもらえるように本腰を入れるつもりです。Xでも最近発信を始めたので、もっと多くの方に読んでもらえるように頑張ります。