『葬送のフリーレン』帝国編が作中屈指の盛り上がり? “キメラアント編”を連想させる怒涛のバトルへ

※本稿は『葬送のフリーレン』最新15巻までのネタバレを含みます。

 最新刊となる15巻が12月18日に発売された『葬送のフリーレン』。現在作品内では、「帝国編」と呼ばれるエピソードが描かれており、ファンたちのあいだで大きな盛り上がりを見せている。一体どんな展開を迎えているのか、本稿ではその面白さについて詳しく紹介していきたい。

 「帝国編」が始まったのは単行本13巻から。北部高原を抜けて帝国領に入ったところで、フリーレンたちはとある村に宿をとるのだが、そこで突如刺客に寝込みを襲われる。彼の正体は「影なる戦士」の1人であり、暗殺リストに載った人物を仕留めるために何十年も村に潜伏していたのだという。

 「影なる戦士」は、かつての帝国で対魔法使い専門の特務機関として秘密裏に活動していた組織とのこと。その後フリーレンたちが訪れる帝都アイスベルクにも多くの刺客が潜んでおり、物語に大きく関わってくることになる。

 その一方で、大陸魔法協会の方でも波乱に満ちた展開が巻き起こる。帝国領と北側諸国の要人が集まる建国祭の最中に、ゼーリエの暗殺計画が目論まれていることを察知するのだ。事態を重く見たゼンゼたちは、一級魔法使い5人によってゼーリエ護衛の任務を遂行しようとする。

 この任務のメンバーには、フリーレンたちと一緒に一級魔法使い試験を受けたユーベルとラントの姿も。2人はバディを組み、帝国領内で開かれたパーティに潜入するが、そこで帝国軍の特殊部隊である「魔導特務隊」に目を付けられてしまう。

 「魔導特務隊」は“帝国最強の魔法使い”とも称される特殊部隊で、普段は内乱の鎮圧などを受け持っているようだ。だが何やら政治的な思惑があるらしく、「大陸魔法協会」と「影なる戦士」による鍔迫り合いの裏で暗躍する様子も描かれている。

 こうして物語上では、ゼーリエ暗殺計画をめぐって「大陸魔法協会」、「影なる戦士」、「魔導特務隊」という三つの勢力が対峙することに。そこにフリーレンたちが巻き込まれた上、旅の途中で離脱した僧侶・ザインまでもが絡んでくる。

 しかも暗殺計画の山場となるのは、宮殿で行われる舞踏会の夜。いくつもの思惑が複雑に絡み合いながら、壮絶な戦いが繰り広げられるということで、これまでの物語でもっとも大きな山場と言ってもいい展開を迎えている。

作中屈指の実力者が集結! ハイレベルなバトルに注目

 「帝国編」の具体的な見どころとしては、なんといっても白熱したバトルが挙げられる。今回のゼーリエ暗殺計画に関わってくる勢力は、いずれも対人戦闘に特化した者たち。なにせ一級魔法使いと同等かそれ以上の実力者が揃っているほどなので、作中でもトップクラスに高度な戦いが繰り広げられそうだ。

 そもそもゼーリエは、フリーレンですらまったく勝機を見いだせないというほどの強さをもつ。まさに“最強の魔法使い”のはずなのだが、そんな彼女の死が現実味を帯びてくるということからも、事態の異常さがよく分かるだろう。

 また、ストーリー構成の美しさも大きな見どころ。色々な点で、『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編を彷彿とさせる部分があるようにも感じられる。

 多数のキャラクターによる思惑が複雑に絡み合い、同時多発的にバトルが描かれていく高揚感。そして丁寧に積み上げてきた伏線や布石が、最終的に1つの場所、1つの出来事に凝縮されるという話の盛り上げ方……。いずれもキメラアント編と通じる要素ではないだろうか。

 ただし主人公たちが襲撃する側ではなく、護衛する側という意味で、キメラアント編を“反転”させたような構成と言うべきかもしれない。

 もちろんバトルマンガとしての盛り上がりだけでなく、『葬送のフリーレン』ならではの人間ドラマもしっかり用意されている。とくにユーベルとラントの関係性は必見と言えるポイントだ。

 なお1月16日には、TVアニメの第2期が放送スタートする予定。この機会に、アニメと合わせて原作に手を伸ばしてみてはいかがだろうか。

関連記事