ノーベル賞で注目集める韓国文学 傑作『フィフティ・ピープル』リニューアル版もロングセラーに
韓国文学の中でも「必読本」として評価を集める、チョン・セランの代表作『フィフティ・ピープル[新版]』(訳:斎藤真理子/亜紀書房)が好評を受け、2刷の重版が決定した。
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チョン・セランは、1984年ソウル生まれ。編集者を経て2010年に作家デビューし、2013年『アンダー、サンダー、テンダー』で第7回チャンビ長編小説賞、2017年『フィフティ・ピープル』で第50回韓国日報文学賞を受賞。『保健室のアン・ウニョン先生』は、Netflixで実写化されており、チョン・ユミ、ナム・ジュヒョクらが出演し、話題となった。
ハン・ガンのノーベル文学賞受賞から約1年が経ち、注目を集める韓国文学。その中でも話題にあがることが多い本作は、50人の登場人物たちがすれ違い、重なり合い、ときに結びつきながら描かれる群像劇。帯に書かれた「この50人の中に、きっとあなたの味方がいる」という文の通り、読後には“誰かと共有したくなる”温かさと切なさが残る連作短編小説集だ。
翻訳を手がけたのは、韓国文学翻訳の第一人者として多くの名作を日本に紹介してきた、斎藤真理子。訳書にファン・ジョウン『ディディの傘』やパク・ミンギュ『カステラ』(共訳、第1回日本翻訳大賞受賞)、ハン・ガン『別れを告げない』(第76回読売文学賞〔研究・翻訳部門〕受賞)などがある。
2018年に発売されて以来、ロングセラーだった本書だが、2021年にリニューアル。著者のチョン・セランが背景エピソードやキャラクター設定、表現・用語の精査を全面的に行い、新版として出版された。
■書誌情報
となりの国のものがたり14 『フィフティ・ピープル[新版]』
著者:【著】チョン・セラン/【訳】斎藤 真理子
価格:2,420円(税込)
発売日:2024年10月25日
出版社:亜紀書房