料理家・杉山絵美 × 神田うのが明かす、簡単で華やかな“セレブごはん”の秘訣「おいしいご飯は人々を笑顔にして幸せにする魔法」
料理家・杉山絵美のレシピ本『杉山絵美の30分で完成! 毎日のごちそう』(宝島社)が2025年4月23日の発売以来、好評を博している。杉山絵美の手料理は、神田うのをはじめ、アンミカ、板野友美、小雪、SHIHO、檀 ふみ、藤原美智子、宮本亞門、Zeebraら著名人から絶賛されており、「家にある食材でできる、簡単なのに華やかで美味しいセレブごはん」としてSNSを中心に話題を呼んでいる。新たに刊行された本書では、見た目は華やかで味も一流ながら、「家にある身近な食材」で「30分で3品作れる」レシピが多数紹介されている。
リアルサウンド ブックでは、ちょうど軽井沢で友人たちとともにパーティーをしていた杉山絵美と神田うのにインタビュー。「セレブごはん」の魅力について話を聞いた。
半分冗談で「料理家」という肩書きをつけてみたんです(笑)
ーー神田うのさんのSNSを見ていると、杉山絵美さんとそのお料理がよく取り上げられていて、「この料理、レストランじゃないの!?」と驚かされます。そもそも、お二人はどうやって出会われたんですか?
神田うの(以下、神田):最初はお仕事なんですよね。絵美さんがもともとディオールの広報を担当されていて、衣装をお借りしたり、パーティに参加したり、パリコレクションを観に行ったり、というなかでお世話になっていて。そんななかで、共通の友人のとよた真帆さんを通じてプライベートでもご飯を食べるようになり、もともと人となりを知っていたこともあってすぐに仲良くなったんです。
杉山絵美(以下、杉山):それ以来ずっと、家族ぐるみで仲良くさせていただいています。
神田:絵美さんって、本当に何でもできるスーパーウーマンなんですよ。今日は一緒に軽井沢に来ているのですが、いつの間にか新幹線のチケットから何から何まで全部手配してくれていて(笑)。
ーー杉山さん自身は、神田うのさんにどんなイメージを持たれていますか。
杉山:うのちゃんは本当に優しくて、心がきれいな人ですね。感謝の気持ちを絶対に忘れない人で、最近、誕生日パーティーの幹事をさせてもらったんですれど、来席された40人の方に、なんとこの『30分で完成! 毎日のごちそう』をプレゼントしてくださったんです。わざわざ40冊も購入してくれて。
神田:ひらめいたのが前日の夜だったので、ご迷惑をかけてしまったかもしれないんですが、せっかく絵美さんが新しい本を出版されたばかりでしたし、みんながハッピーになる一冊だと思ったんです。絵美さんへの感謝の気持ちも伝えられるし、もらった人も絵美さんの素敵なレシピを楽しむことができる。それで贈らせていただきました。
杉山:うのちゃんは、お友達やお世話になった方のお誕生日を絶対に忘れないし、100倍返しで喜ばせてくれるんです。一緒にいて本当に楽しいんです。
神田:いえいえ、私は本当に一人で何もできないし、人様に頼ってここまで生きてこられたので、本当に感謝しています!
ーーうのさんは「何もできない」とおっしゃいますが、杉山さんとの交流もあって、いまや料理上手のイメージがあります。
杉山:本当にそうなんです! まだSNSもあまり普及していなかったときから、うのちゃんがブログで私のレシピを紹介してくれて。それを見たうのちゃんのファンの方々が、今では私のインスタのフォロワーになってくださってる。うのちゃんは、お嬢ちゃまが生まれてからたくさんお料理していて、今では料理上手でプロ急の腕前なんです。
神田:私、結婚しても自分で料理を作ろうとは思わなくて、食べる専門だったんです(笑)。でも、妊娠して「子どものために作ってあげたい」と思うようになって。それで絵美さんにお料理を教わるようになって、いまでは娘がサプライズで、私に絵美さんのレシピでお料理を作ってくれるようになったんです。娘がいま13歳なので、14年前からですね。
杉山:そんななかで私はインスタグラムを始めました。コロナ禍で皆さんがお家でお料理をされるようになった時期に、うのちゃんと話していて、「絵美さんの家で食べたあの料理の作り方を教えてほしい!」と聞いてくれたので、「それじゃあ、Zoomで一緒にお料理をしましょう」ということで、クッキングレッスンをしたんです。その反響もあって、インスタでレシピを公開するようになりました。そして、うのちゃんが「絵美さんレシピで作りました!」と書いてくれたのがヤフーニュースになって、半分冗談で「料理家」という肩書きをつけてみたんです(笑)。
神田:私からしたら、冗談ではなくてもう立派な料理家でしょう!って(笑)。
杉山:そこから本格的に料理がお仕事になっていきました。うのちゃんのおかげです。
おいしいご飯は人々を笑顔にして幸せにする魔法
ーー杉山さんのレシピの魅力は、どんなところにありますか。
神田:いま、ちょうどドン小西さんが一緒にいらっしゃるんですけど、奥様が絵美さんのレシピでお料理をされていて、よくおっしゃるのが「決して難しくなく、冷蔵庫にあるような食材で、手早く素敵な料理が作れるのが最高なんです」と。私もまったく同感で、レストランで出されるような質の高い、美味しいお料理を誰でも作れる、というのが絵美さんのレシピの素晴らしいところだと思います。娘がもっと小さい頃にサプライズでケーキを作ってくれたんですが、それも本当に美味しくて。
杉山:二人で内緒話をして、「ママのお誕生日に、こっそりケーキを作ろう!」って(笑)。今年のお誕生日は「ママは華やかなイメージだから、真っ赤ないちごのショートケーキがいい」「ママが大好きなお肉料理も作りたい」って、アイデアもどんどん出てくるんです。ビーフストロガノフだったり、ポークスペアリブだったり、本当に上手で。
神田:それも、絵美さんのレシピが本当に誰でも美味しく作れるように考えられているのが大きいんですよね。私が最近よく作るのは、絵美さんの炊飯器を使ったレシピで、牛すじのポトフなんて塩胡椒だけで最高のビーフコンソメのような味わいになるんです。チキンのピラフも簡単で美味しいし、実際に作ったお料理をインスタでアップしているので、よければ見ていただきたいですね。
神田うのインスタグラムより、サーモンアボガドとチキンピラフの投稿
ーーうのさんもおっしゃるように、手に入りにくい食材を使ったり、難しい工程を踏むものでなく、家庭で簡単に作れるもので、レストランのようなおしゃれで美味しい料理ができる。そんなひと工夫だったり、食べる人のことを考えた思いやりも感じるレシピだと思います。あらためてどんなところにこだわっているでしょうか。
杉山:手料理というのは最高のご馳走だと思います。「ご馳走」というだけあって、見た目をちょっと華やかにできるといいですよね。でも、簡単に作れないと作るのが億劫になってしまうと思います。まずは、食材を揃えるのがお料理するはじめのステップだと思いますが、冷蔵庫を見ると「あ、これある、作れる!」という風にわざわざお買い物にいかなくてもできるものをなるべく考えています。そして、基本的に日本中どこのスーパーでも手に入りやすい食材と日本人の一万人の家庭にある調味料を使っているので、皆様に挑戦やすいお料理。そして調理時間も30分で3品作れる! そこにこだわりました。
神田:手間暇をかけて、高級な食材を使えば、当たり前に美味しい料理はできると思うんです。絵美さんのレシピのすごいところは、やっぱりそれが簡単にできることですよね。「簡単に、短時間で、こんなに美味しい料理ができるの!?」って、いつも魔法みたいだと思っています。
ーーあらためて『30分で完成! 毎日のごちそう』の一冊を通したコンセプト、どんな人に読んでもらいたいか、というところでメッセージをお願いします。
杉山:おいしいご飯は人々を笑顔にして幸せにする魔法です。自分で作ったお料理で目の前にいる大切な人を笑顔にすることができたら嬉しいですよね! 20代のお料理初心者の方から、シニア世代のご夫婦と幅広い方を対象にしています。毎日をちょっとだけ豊かにしたいと思う方にぜひ読んでいただきたいです。
■書誌情報
『杉山絵美の30分で完成! 毎日のごちそう』
著者:杉山絵美
価格:1,694円
出版社:宝島社