『スキップとローファー』ファンブックを満たす“優しい空気” 制作現場の丁寧な仕事と工夫が伝わる1冊に
みつみたちとの思い出を一緒に振り返る構成に
TVアニメ『スキップとローファー』が私たちの心に残した“きらきら”を一冊に詰め込んだ公式ファンブックが、待望の発売を迎えた。2023年4月から7月にかけて放送され、多くの視聴者を魅了した本作は、このたびTVアニメ第2期の制作も決定し、その人気は更なる高まりを見せている。
本作の魅力は、主人公のみつみを中心としながらも、彼女を取り巻く友人たちやクラスメイトそれぞれの物語にも丁寧に光を当てる繊細な描写にある。時に甘く、時にちょっぴり苦い青春の瞬間の数々が、驚くほどのリアリティを伴って描かれ、観る者の心に深く刻まれていく本作。それらの体験すべてを包み込む作品全体の優しい空気感はファンブックにも詰め込まれ、内容も充実の一言に尽きる。
本書を手に取った瞬間、目を引くのがキャラクターデザイン・梅下麻奈未による描き下ろしカバーイラストだ。そしてページをめくれば、放送期間中から話題を集めてきた印象的なキービジュアルやBlu-ray BOXアート、SNSを彩った応援イラストなど季節感溢れるビジュアルまでを収めた「GALLERY」が広がり、みつみたちとの思い出を一緒に振り返るような、特別なページに目が離せなくなるだろう。
みつみをはじめとする個性豊かな主要キャラクター16名の設定画と詳細な紹介を網羅した「CHARACTER」セクション、丁寧に作り込まれた世界観を支える小物や背景美術を紹介する「PROP & BACKGROUND」、全12話から厳選された名場面を振り返る「EPISODE」など作品をより深く知るためのコンテンツも充実。さらに、全12話とオープニング、エンディングの原画、作監修正、絵コンテを厳選して掲載した「ARCHIVE」は、アニメーション制作の裏側まで垣間見ることができる。
アニメのファンブックには当然作品ごとに異なる魅力があるが、個人的にファン必見のページをあげるとすれば、各話のアイキャッチとサブタイトルデザインを一覧で収録したページだ。各話ごとに異なるロゴ処理で彩られたサブタイトルは、本作の“らしさ”が、そのままぎゅぎゅっと詰め込まれていると言っても過言ではない。第1話「ピカピカ」、第2話「そわそわ うろうろ」など、各話のみつみの心情に重なるデザインの数々をじっくりと味わえるのは、ビジュアルファンブックならではの楽しみだろう。