【推しの子】ファンなら要チェック! 役者/芸能界がテーマの名作漫画を振り返る

『推しの子』コミックもアニメも激アツ展開に!役者や芸能界がテーマの名作漫画を振り返る

 アニメ第2期も好調の『【推しの子】』が熱い。原作漫画ではついに星野アクアが、因縁の相手カミキヒカルと対峙。アニメ版でも、2.5次元舞台「東京ブレイド」が公演初日を迎えるまでの制作の舞台裏や、アクアたちの葛藤や試行錯誤がディープに描かれており、漫画と同様見逃せない展開を迎えているのだ。

 本作がここまで漫画ファンの心を掴むのは、一見華やかに見える芸能界やコンテンツ制作の裏側や、役者や制作スタッフなどの本音、愛憎渦巻く人間模様が赤裸々に描かれている点にあると言える。そこで本稿では、演劇や芸能界をテーマにしたおすすめの名作漫画を紹介する。

未完の大ベストセラー『ガラスの仮面』

 演劇をテーマにした漫画で外せない名作といえば、美内すずえの『ガラスの仮面』だ。役者としての天性の才能を持つ主人公·北島マヤが、大女優·月影千草と出会い、演劇界のサラブレットで永遠のライバルとなる姫川亜弓と切磋琢磨しながら、徐々に実力派女優として頭角を表していくシンデレラストーリー。

 本作は、1975年に「花とゆめ」で連載が開始され、長期休載を何度も挟みながら40年以上経った今もストーリーが完結していない、未完の大ベストセラー漫画だ。コミックが既刊数49巻に及ぶ壮大な長編ストーリーであること、演劇やミュージカルのようにストーリーが劇仕立てで描かれる劇中劇の形式をとっている点もユニークなポイントだ。

 2016年以降、最新話に関する進捗がない本作だが、長年メディアミックス化が行われ、作者自身も公式SNSで「必ず最終巻まで描き続けます」とコメントしていることから、今後の動向も見逃せない。

人間のあらゆる欲を描き切った奇作『ヘルタースケルター』

 2本目に紹介したいのは、岡崎京子作の『ヘルタースケルター』だ。全身整形によって作られた完璧な美貌により芸能界の頂点に君臨するトップスターへと成りあがったりりこ。彼女の日常を通して芸能界の裏側や、虚栄心や猜疑心、傲慢さなどの人間の弱さ、あらゆる欲を描き切った本作は、文化庁メディア芸術祭·マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞など数ある賞を受賞した上、2012年には沢尻エリカ主演で映画化もされ、その年の大ヒット作となった。

 容姿や体型に不満を持つ女性主人公が整形によって夢を叶えるが、同時にあらゆる“業”を背負い、最終的に転落人生を送る、というストーリーは小説や漫画ではある意味定番の展開だ。

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