日本銀行、注意喚起 新札発行の際によくある詐欺とは?

■お札が20年ぶりにモデルチェンジ

新札がまもなく発行。詐欺には注意が必要

 7月3日から、いよいよ新札が発行される。実に20年ぶりとなるモデルチェンジである(ただし、2000円札はモデルチェンジされない)。なかでも、1984年から約40年にわたり、1万円札の顔を務めてきた福沢諭吉とはお別れとなる。埼玉県を代表する偉人の一人・渋沢栄一にバトンタッチされるわけだが、1万円札を“ユキチ”と呼んでいた世代は、“エイイチ”と呼ぶことに若干の違和感を抱いているようだ。

  X上では「新札のデザインがダサい」「ユキチの方が紙幣にふさわしい」など様々な意見が見られるが、筆者の知人で60歳になるライターに話をよると、「1万円札の肖像が、聖徳太子から福沢諭吉に替わった時のほうがずっと違和感があったよ。だって、それまでは5千円札も聖徳太子で、高額紙幣といったら聖徳太子だった。お札のサイズも小さくなったし、デザインもちょっと風格がなくなったように感じたね」とのことである。

  ところで、新札切り替えの際に出てくるのが、「従来のお札が使えなくなるので交換します」「交換するので、従来のお札を私に預けてください」という手口の詐欺だ。こういった誤情報や詐欺行為について、日本銀行が公式Xで注意喚起を行っている。日本銀行は、「従来のお札は、新しいお札が発行された後も、引き続き、使うことができますので、新しいお札に交換いただく必要はありません」と投稿している。

■使用できる最古の紙幣は明治時代のもの  

  こう日本銀行が述べているように、新札が発行されてからも、現在流通している野口英世の1000円札、樋口一葉の5000円札、福沢諭吉の1万円札は使うことができる。2024年から2025年頃までは、新旧のお札が混在して使われることになると思うが、徐々に切り替わっていくと推測される。自動販売機や駅の券売機なども、最初は新札が使えないケースが見られると思うが、じわじわと更新されていくことだろう。

  さて、日本ではこれまで数多くのお札が発行されてきた。江戸時代には藩の中だけで使える“藩札”というものがあったし、西南戦争の際に西郷隆盛軍が戦費調達のために発行した“西郷札”という変わり種もある。さすがにこれらのお札は使うことができないが、現在、法的に使用可能な最古の日本のお札は、いったいなんだろうか。

  それは、1885年に発行された日本銀行兌換銀券の1円札、通称“大黒札”である。1885年は明治18年だ。『るろうに剣心』などの漫画・アニメでおなじみの明治時代である。ちなみに、明治18年は、新選組隊士の斎藤一や永倉新八、第15代将軍の徳川慶喜もまだ存命でバリバリ活躍していた時代であった。ちなみにこの3人は大正時代まで生きており、長寿である。

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