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 それでも、我王は自称「相手の事は第3キーパーの鼻毛の数まで把握してる」というくらいに対戦相手を丸裸にする膨大なデータを頭の中に蓄積しているのだ。

 その引き出しから相手選手のウィークポイントと、チームメイトのストロングポイントを掛け合わせて「勝てるポイント」を演出する能力に秀でている。一見、能力的にかなりの差がある対戦相手と対峙しても、我王は冷静に状況を分析し最適解を導き出す。チームの「頭脳」として味方を勝利へと導く存在、それが鼓屋我王なのだ。

 サッカーの能力は並以下、いやむしろ下手。それでもそのままサッカー界のテッペンを獲る気マンマンの我王。チーム競技とは言えプロサッカー選手は全員が個人事業主。自分の資産価値を高める為に知略を駆使して勝利をもぎ取る我王のスタイルは、弱者が強者を打ち負かすジャイアントキリングの興奮を読者に与えてくれる。大金が埋まっているサッカー界で我王がJ2という現在地からどこまで成り上がってくるのか、その動向に注目したい。

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