【推しの子】カミキヒカルついに登場ーー物語の真相に迫る重要人物が関与したと見られる事件を振り返る

※本稿は『推しの子』最新刊までのネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。

 4月からTVシリーズ第二期の放送を控える『推しの子』。原作では、アクアとルビーの父親とされる復讐相手・カミキヒカルが映画『15年の嘘』のスポンサーとなり、今後、アクアたちに接触してくる可能性も浮上している。

 そこで本稿では、彼がこれまで関与した(もしくはしたとされる)事件や、アクアたち周囲の関係者たちとの結びつきなどについて振り返りたい。

アイやゴロー殺害だけでなく、俳優夫婦の心中事件にも関与!?

 星野アイ殺害事件、そしてアクアの転生前にあたる産婦人科医ゴローの転落死の黒幕とされているカミキヒカル。「映画編」では、映画『15年の嘘』の撮影に沿う形で、これまで謎に包まれていた彼の素性や、周辺の人間関係が明らかにされている。なかでも注目すべきは、第140話、第141話でようやく関係が描かれた、劇団ララライの人気女優だった姫川愛梨とのつながりと、彼女と夫・上原清十郎の心中事件への関わりだ。

 カミキはもともと劇団ララライに所属し、アイと出会う前に、当時の人気女優・姫川愛梨と体の関係を持ち子供をもうけている。その子供が、劇団ララライの看板役者で、「2.5次元舞台編」でアクアが共演した姫川大輝だ。作中、この妻とカミキとの不倫に激怒した夫の清十郎が、夫婦で心中を図ったこととなっているが、その真偽や詳細は未だ謎に包まれたままだ。

 原作の登場人物紹介の中で、カミキは「15歳当時、アイを妊娠させた人物で、真犯人と目される」と星野アイ殺害事件の犯人とほぼ認定されている。さらに、ゴローの転落死現場近くに大学生と中学生の2名がいたことが判明しており、大学生がアイを殺害したストーカーと同一人物だったことから、中学生だったカミキが、大学生を焚きつけてアイとゴローを殺害したとみて間違いなさそうだ。これまで、自分の手を汚さずに様々な事件に関与してきたカミキヒカル。彼が、愛梨と清十郎夫婦の心中にも関与していたのか、今後、その真相が描かれるかは要注目だ。

瞳に星を宿す売れっ子女優を殺害! 才能ある役者たちを殺す動機は?

 対照的に、カミキが殺害に関与したことが明白なのが人気女優・片寄ゆらだ。神木プロダクションの代表取締役となったカミキは、片寄と気軽に飲みに行く仲として描かれる。片寄はアイやアクアと同様、目に星を宿す才能の持ち主で、映画「15年の嘘」のアイ役にも打診される予定だったが、オフの際に訪れた山登り中、カミキによって殺害され消息不明扱いとなってしまう。

 殺害現場で、息も絶え絶えな片寄に向かってカミキは、笑顔で「言ったでしょう。足元に気をつけてって」と言葉をかけており、殺害が計画的だったことと、まったく罪悪感を感じていないことが分かる。また、「価値ある君の命を奪ってしまった僕の命に重みを感じる」というセリフから、才能ある女優やタレントを殺害することが彼の存在証明となっていることも明白だ。

 ただ、アイの秘密を知るゴローをまず殺害し、彼女がアイドルとして大成するまで待ってから殺したことを考えると、カミキを単なる快楽殺人者だと考えるのは性急だ。また、映画「15年の嘘」の撮影シーン内では、アイがカミキの嘘を見破り、彼の目を「人を騙すのが得意な目」と表現するシーンも登場する。アイ殺害の動機が「才能あるタレントだったから」なのか、「カミキの嘘を見破ったから」だったのか?また、映画のスポンサーとなった動機は?など、今後カミキの狙いが明らかになることに期待したい。

 ここまで述べた以外にも、カミキヒカルは旧B小町メンバーであるニノとコンタクトをとりルビーの様子を報告させていたり、星野アイの母親も協力者なのでは?と思わせる匂わせシーンが登場したりと、アクアたちの動向に目を見張らせているのが分かる。彼の動向や、更なる犠牲者が出るのかなど、今後の展開からも目が離せない。

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