1980年～90年代に「週刊少年ジャンプ」が500万部、600万部と恐るべき人気を獲得していったなかでの立役者であり、さらには『ドラゴンクエスト』でゲームという表現ジャンルの違う分野で大ヒットシリーズのキービジュアルを作るなど、日本のコンテンツ、漫画業界の力を世界に知らしめた鳥山さんの功績は計り知れない。島田氏は最後に、鳥山さんの作品が万人の共感を呼んだ理由をこう分析した。

 「『Dr.スランプ』も『ドラゴンボール』も、根底にあるのはヒューマンドラマでした。『ドラゴンクエスト』のビジュアルも、ともすれば無機質にも映るファミコン時代のドット絵に命を吹き込み、プレイヤーの心を沸き立たせるものがありました」

　圧倒的なセンスと、心の機微を捉える人間味が共存した漫画家・鳥山明さんの作品は、今後も多くの人々に愛されていくだろう。

トップ画像：©️バード・スタジオ／集英社・東映アニメーション