本格格闘技マンガ『アスミカケル』が連載終了……なぜ「ジャンプで格闘技は鬼門」と言われるのか?

なぜジャンプでは「本格格闘技マンガ」がハマらない?

  『週刊少年ジャンプ』といえば友情・努力・勝利。格闘技にピッタリなテーマを掲げているにもかかわらず、なぜ実際には打ち切り作品の山が築かれているのだろうか。その背景としては、アンケート至上主義との相性の悪さが考えられる。

  同誌では読者アンケートによって連載続行が判断されると言われているが、そのシステムはスローテンポな作品にとって不利に働きやすい。1話から読者を魅了する展開を盛り込み、アンケート票を獲得していかなければ、山場に到達する前に連載が終了してしまうからだ。

  しかし少年マンガで本格的に格闘技を描こうとすると、まず主人公が格闘技の面白さに目覚め、その後秘められた才能を開花させ、やがて強力なライバルたちと出会う……という展開になりがちだ。ファンタジー要素の強い異能バトルのように、最初から主人公を大活躍させることは難しいため、物語が盛り上がるまでに時間がかかってしまう。

  またアンケートを稼ぎにくい主人公の挫折や“修行パート”を挟む必要があることも、格闘技マンガの不利な点だと言えるだろう。例外的な成功作だった『リングにかけろ』は、現実ではありえない超人的なボクシングを描写していたため、リアルとファンタジーのバランスが重要なのかもしれない。

  逆に言えばアンケートシステムで勝ち残る格闘技マンガは、それだけずば抜けた魅力があるということ。川田の新たな挑戦と、まだ見ぬ才能の出現に期待したい。

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