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支えられた側から支える側へ『少女ファイト』小田切学
最後に紹介したいのは高校女子バレーを舞台にした作品『少女ファイト』(日本橋ヨヲコ)より主人公の大石練が所属する黒曜谷高校バレーボール部に所属する小田切学だ。
女子バレー部に所属する1人1人に何らかの過去のトラウマがあり、曰く付きの面々が揃った黒曜谷高校バレー部。イジメに遭っていた小学生時代に練に助けられた経験もあり、当初はマネージャー志望だったが180cm近い長身を持ち、監督から勧めがあったこともあり選手としてバレーボールを始めることを決意する。
当初はやはり技術的にも拙くチームの足を引っ張るものの、首席で入学した学力の高さを活かし、献身的にバレーを学び、やがてチームに不可欠な存在へと成長する。
人一倍仲間を思いやる気持ちと、人間としての芯の強さ。小田切がいることでチームに安心感をもたらし、他の選手達が活き活きとプレーできるようになっていく様が作中では丁寧に描かれている。技術のある他メンバーが小田切を支えているようで、裏を返せば小田切が他メンバーを支えている、そんな構図がチーム内には出来上がっているように感じる。
高校からバレーを始めた選手がここまでの存在感を発揮できることは、新しいことを始めたいけれど迷っている、そんな人にも勇気を与えてくれるのではないだろうか。
前述した4名の選手達は、いずれもどちらかと言わなくとも控え目な性格で決してクラスの中心に居るようなタイプではない。元々運動が得意だった訳でもない。そして他の部員よりもスタートが遅く、言うなれば周回遅れからの出発を余儀なくされている。
そのような環境でも下を向くことなく、自分が戦える武器を限られた時間の中で磨き続け、高いレベルの中で存在感を発揮するまでに至ったのだ。その過程でどれだけの困難を乗り越えてきたのかは想像に難くない。ぜひ本作品を手に取り、周回遅れからの熱い追い上げを見せてくれる選手達の姿に思いを馳せて欲しい。