『はじめの一歩』作画の工程がすごかった 「少年マガジン」の発売日に森川ジョージが公開

 人気ボクシング漫画『はじめの一歩』の作者・森田ジョージ氏が10月4日、自身のX(旧Twitter)で、漫画制作の「作業工程」を公開した。

 10月4日は水曜日、『はじめの一歩』が連載されている「週刊少年マガジン」の発売日だ。読者は「作業工程」を見た後、本誌で完成版を楽しむことができるタイミングで、粋なファンサービスに感謝の言葉が寄せられている。

 ポストされた作業工程は3段階。「下書き」に始まり「ペン入れ」が完成するまで、計5枚の原稿が公開されている。最後には「この原稿の自分の仕事はここまで。あとはスタッフさん達にお願いします。」とのコメントがあるため、森田氏本人がどこまで描いているのか、ということがよくわかる。観客こそのっぺらぼうだが、スパーリングとはいえリングで激闘を繰り広げる一歩と間柴の姿は、ペン入れの段階でも迫力十分。これは作業を引き継ぐスタッフも気合いが入るというものだろう。

 ラフに引かれた線が取捨選択され、シャープな絵になっていく工程は壮観だが、森田氏は「キレイになるけど消しゴムは努力の跡まで消してしまっているような気がして「本当はもっと線引いたのにー」という気分になる。他の漫画家さんもそうなのかなあ」とも。漫画が読者の目に届くまで、どれだけの線が引かれ、消されていったかと考えると、あらためて途方もない仕事に思える。

 実際に「マガジン」を購入して完成した漫画(Round1435「スパーリングパートナーは左利き」)を読んでみると、キャラクターの邪魔をしないように、視認性はしっかり確保する形で繊細にモノローグが挿入されており、息を呑む内容に仕上がっている。最新回は漫画アプリ「マガポケ」でも読むことができるので、ぜひ「下書き」から順を追って確認し、比べてみてはいかがだろう。

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