2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞したカタリン・カリコ。ジャーナリスト・増田ユリヤが取材執筆を手掛けた児童書『カタリン・カリコ　mRNAワクチンを生んだ科学者』が再び注目を集めている。

【写真】『カタリン・カリコ　mRNAワクチンを生んだ科学者』

　2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞したカタリン・カリコ（2023年10月2日発表）。新型コロナウイルスで実用化された「mRNAワクチン」の開発の立役者だ。

　mRNAワクチンとは、遺伝物質「mRNA」を活用した全く新しいタイプのワクチンで、わずか1年たらずという短期間で有効性90％以上という高い効果をもたらした。

　カリコは研究費が出なかったり、降格させられたりなど、さまざまな憂き目にあいながらも、あきらめることなくRNA研究を続けてきた。その原動力は「人の評価よりも自分の好きなことを大切にしたい」「病気の人たちを治したい」という思いだった。

　社会主義体制下のハンガリーに生まれ豊かな自然の中で科学の目を培った幼少期から、信念を曲げずに研究を続けてノーベル賞候補にもなった現在に至るまで、その知られざる人生に迫る一冊。科学や研究職に興味のあるこどもはもちろん、大人の方々にも読みやすく、親子で読むのにもおすすめだ。

■書籍情報
『カタリン・カリコ　mRNAワクチンを生んだ科学者』
著／増田ユリヤ
発売年月：2023年8月
定価：本体1,650円（10%税込）
ISBN：978-4-591-17862-1
仕様：ハードカバー／中面1C／142P（カラー口絵あり）／四六判
シリーズ：ポプラ社ノンフィクション
主な対象年齢：小学校高学年～
書誌ページ：https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/4047044.html
Amazon：https://www.amazon.co.jp/dp/4591178625