『王様ランキング』ボッジ王子はなぜ成長できた? まだ間に合う、アニメ第2期の前日譚を解説

自分にあった武器と勇気と自分のお守り

 コミックス12巻とアニメ『王様ランキング』の終盤にて、ボッジはボッス王国を救った功績から王位を継承することとなる。物語冒頭ではボッジに対し疑心を抱いていたボッス王国の兵士たちもボッジの前で膝をつき、ボッジ自身も頬を赤く染め、身体を細かく震わせながら喜びをかみしめた。

 しかしこれまでボッジと旅をしてきたカゲは自分のような悪党がちかくにいてはダメだと感じ、ボッジに内緒でボッス王国を離れる。そんなカゲの前に現れたのは王位を継承せず、カゲと一緒に過ごすことを決めたボッジであった。

 ボッジが王位継承を辞退した背景には、ボッジの母・ヒリング王妃の存在が大きい。カゲを失い落ち込むボッジに、彼女は「あの子(カゲ)はあなたのお守り/自分でよく考え行動することでその存在(お守り)を守るの」、「自分の人生を生きなさい」と語り掛けた。ヒリングの言葉、そして彼女の笑顔にボッジは涙を浮かべ、王位を辞退しカゲのもとへ向ったのである。

 ボッス王国を離れ、カゲとの旅を再開したところで区切りを迎えた本作。アニメ『王様ランキング』、コミックス12巻までの物語において、自分に合った武器や勇気、そして自分のお守りを手に入れたことで、たくましい姿に成長することができた。ボッジ王子は今後どのような活躍を見せてくれるのか、『王様ランキング 勇気の宝箱』をじっくりと楽しみたい。

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