『ドラゴンボール』クリリンは地球人最強? これまでの戦い方や戦績から考察

 
 『ドラゴンボール』でいったい誰が一番強いのか? しばし議論になるテーマだ。作中で「地球人最強」と謳われたことがあるのがクリリンである。

  天下一武道会を観戦するヤムチャ(武道家は引退している)がその強さを讃えている。その後に登場するウーブ(魔人ブウの生まれ変わり)や、サイヤ人と地球人のハーフはどうなのか? など異論は多々あるものの、クリリンが作中でもかなり強いキャラクターであることは間違いない。

  クリリンのこれまでの戦績を見てみよう。孫悟空と一緒に亀仙人のもとに弟子入りしたときは、悟空のほうが天性の格闘センスが若干優っているとはいえ、実力は拮抗していた。その後、天下一武道会の本戦には4回出場しているが、なんと3回も初戦を突破している。3回出場しながら1回も勝っていないヤムチャと比較すると、その差は歴然である。

 しばし、戦闘力のインフレなどと言われるように、サイヤ人編が始まってから地球人とサイヤ人&異星人の力の差はどんどん開いていく。しかし、クリリンはサイヤ人編でもかなり見せ場が多い。栽培マンにも勝利している(ヤムチャは負けて死んでしまった)し、ベジータとの闘いでもボロボロになった孫悟空から元気玉を受け取り、それをベジータに向けて放った。このときは孫悟飯との連係プレーでベジータに決定的なダメージを与えている。

 クリリンは多くの技を使うことができる。かめはめ波はもちろん打てるし、舞空術も習得しているので空も飛べる。残像拳、太陽拳、そしてクリリンを象徴する技といえば気円斬である。気円斬の破壊力はサイヤ人のナッパにも衝撃を与えたし、フリーザの尻尾を切断するなどダメージを与えている。

 気円斬は岩山を切断できるほどの破壊力があるが、当たりさえすればフリーザを真っ二つにすることも可能ではないか。修行を重ね、気をコントロールする技を生み出したクリリンの格闘センスは、特別なものと見ていい。

 運の良さはどうだろうか。ヤムチャが天下一武道会でまったく勝てない理由のひとつが、クジ運の悪さである。初戦でジャッキー・チュン、天津飯、シェン(神様)と、ことごとく強敵にばかり当たってしまうのである。対して、クリリンはバクテリアンを筆頭に、ヤムチャが戦った相手ほどの強敵には当たらなかった。また、クリリンは作中で3回も死んでいるが、その後はドラゴンボールの力でよみがえっている。決して運も悪くはないようだ。

 最後に、クリリンが何よりも最強だと思えるエピソードを挙げるとしたら、あの人造人間18号と結婚した点ではないだろうか。18号は『ドラゴンボール』屈指の美人キャラであり、しかも子どももつくり、カメハウスで悠々自適な生活を送っているのだ。作中屈指の“リア充”である。戦闘力ではサイヤ人に差をつけられたとはいえ、クリリンは“人生の勝者”と言っていいのではないだろうか。

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