ドラマ“あなおと”最終回直前! 宇垣美里 × 作画・梅涼 × 原作・宮口ジュンが語る『あなたは私におとされたい』の魅力

仕事とプライベートのバランス、ノア誕生秘話……3人のフリートーク

――ここからはフリートークとさせていただきます。梅涼先生は宇垣さんにお聞きしたいことがあるそうで……?

梅涼:宇垣さんは漫画や映画、ドラマ、演劇がお好きで非常に多趣味なことで有名ですが、お仕事も忙しい中でどうやってプライベートとのバランスを保っているのでしょうか。私はどちらかに集中してしまうタイプなのでとても気になります!

宇垣:違うんです! 逆です。私は漫画や本を読んだり、映画や舞台を観劇するのが大好きでこっちが主(メイン)です。好きなことのためにお仕事をしている(笑)。ただ、好きなものを好きと言い続けると、たとえば漫画が好きなら漫画評を書いてください、映画が好きならイベントの司会をやってくださいって、その一つ一つが繋がってお仕事をいただける時があるんですよ。やっぱり好きってすごくエネルギーがあるなと思いますし、仕事にもなるって良い循環だなと。だから、仕事とプライベートを両立させるのではなく……好きなことが仕事になっていくこのサイクルが嬉しいなと思います。

梅涼:目から鱗です! 全く新しい価値観に触れたというか、なんだか開けた気分です。

宇垣:私は宮口先生にずっとお聞きしたいことがありまして。ドラマも原作も、とにかくノアちゃんが怖過ぎるのですが、立花ノアというキャラクターはどうやって生まれたのでしょうか。やっぱり何かを生み出す時って自分の頭の中にあるものしか作れないと思うんです。例えば、賢いキャラクターなら自分が思う“賢いの最大値”でしか作れない。となると、あのモンスター(立花ノア)はどうやって作り上げていったのか、とても気になります。

宮口:宇垣さんが仰るように、ノアは自分の頭の中で作り上げた分身でもありつつ、実は彼女のベースになった知人がいるんです。

宇垣:え! 身近にノアがいるんですか?!

宮口:ノアっぽいキャラクターがいましたね。グループ内で不倫とか複数の色恋沙汰を起こして人間関係を崩壊させる……いわゆるクラッシャーみたいなタイプ。当時は彼女のことをいつも観察していたんですよ。

宇垣:人間観察の結果なんですね。もうずっと「ノアは何者なの?」と思いながら読んでいます。今後、彼女がどうなるのかすごく楽しみです。

宮口:私からも質問がありまして。宇垣さんはすごく漫画がお好きで普段からたくさん読まれているそうですが、漫画の原作を書いてみたいと思うことはありますか?

宇垣:う〜ん……。私、漫画はもちろん、本、映画、舞台、この世にある物語は本当に全部大好きなのですが、それは自分にはない世界を見せてくれるからなんです。それこそ、自分が普通に生きているだけでは夏菜のように証券会社で働くことは多分もう無理ですし。でも、物語ならそれが出来てしまうというか、違う世界に触れられるところが魅力だと思っているので、もしも私が物語を作ったら「自分の話じゃん!」って。私がエンタメに求めるものではないんですよね。でも、何かを表現すること自体は大好きなので、どういう形かわからないけれど、いつか挑戦できたら良いなと思っています。

――宇垣さんはエッセイも多数出版されているので、近い将来、本当に漫画原作を手がけていそうです。

宇垣:エッセイは自分のことですからね。ちなみに、物語を作るときって最初の一歩がすごく難しい気がするんですよ。自分が作り上げた世界に一歩踏み込む瞬間というか……。

宮口:フィクションへの一歩ということですよね。『あなたは私におとされたい』の場合は、ただの不倫モノだと面白みに欠けてしまうので、ノアというキャラクターをフックにして作り込んでいきました。この作品でノアが一番現実味のないキャラクターなので彼女にファンタジーを背負わせて、その分それ以外のキャラクターは等身大でも良いのかなって。

最終回寸前! 終盤に向けた見どころ

左、梅涼先生。右、宇垣美里さん。

――いよいよ佳境に入っているドラマ『あなたは私におとされたい』ですが、終盤に向けて注目してほしいポイントを教えてください。

宇垣:直也と夏菜は交際期間を経て結婚して、そこから8年目も一緒に過ごしてきたのに、ちょっとしたボタンの掛け違いでその関係性がどんどん崩れていく。それは、長い間一緒にいても、二人の関係性をずっとアップデート出来ていなかった結果だと思うので、その果てにどうなるのか、2人はどんな選択をするのか……原作とは違う展開になっているので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

――ドラマとはまた違った波乱を見せている原作ですが、今後の見どころを教えてください。

宮口:「感情」というものは、直前に起きた些細な出来事一つでも影響を受けやすいですし、変わりやすいものだと思います。そういった細やかな感情の機微を取りこぼさないように丁寧に描写することは、特に頑張っている部分なので作品を通しての一番の見所だと思っています。あとは、読者の皆さんが一番気になっているであろう、立花ノアの正体や目的を少しずつ明らかにしていきたいなと思っています。最後まで見守っていただけると嬉しいです。

梅涼:『あなたは私におとされたい』は、結婚ってなんだろう、愛情ってなんだろう……と常に読者の皆さんに問いかけている作品だなと感じています。直也と夏菜、ノア、皆木、平野、色々な登場人物たちの欲望が絡み合って葛藤していく様子を見てどうするのが正解なのだろうと。自分の立場に置き換えて一緒に考えながら楽しんでいただけたらと思います。

■放送情報
『あなたは私におとされたい』
最終回はMBSほかにて、2023年1月16日(木)より順次放送スタート
出演:鶴嶋乃愛、村井良大、内藤秀一郎、佐藤友祐(lol-エルオーエル-)、マーシュ彩、染野有来、宇垣美里
原作:『あなたは私におとされたい』梅涼/宮口ジュン(サイコミ/Cygames)
監督:加藤綾佳、長野晋也
脚本:鈴木史子
オープニング主題歌:Beverly「Swamp!」(avex trax)
エンディング主題歌:THREE1989「幸福論理」(rhythm zone)
制作プロダクション:レプロエンタテインメント、ダブ
製作:「あなたは私におとされたい」製作委員会・MBS
©「あなたは私におとされたい」製作委員会・MBS

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