東海オンエア、最強の“聖地巡礼本”に予約殺到中 旅行ガイド「るるぶ」との好相性を考察
人気YouTuberグループ「東海オンエア」をフィーチャーした旅行ガイド本『るるぶ東海オンエア』が4月24日に発売される。1月25日の予約開始以降、Amazonをはじめとする書籍販売サイトのランキングで軒並み1位をキープするなど、注文が殺到している状況だ。本稿では東海オンエアというグループと「旅行ガイド」の親和性について解説したい。
そもそも「東海オンエア」とはどんなグループなのか。昨年、リーダーのてつやと元AKB48の峯岸みなみの結婚が大きく報じられたこともあり、名前は聞いたことがある人が多そうだが、YouTubeを視聴する習慣がない人からするとよくわからないだろう。
東海オンエアは愛知県岡崎市を拠点に活動する6人グループ。チャンネル登録者数は1月27日現在で679万人に及び、有名芸能人の参入や不況もあり、苦境を語るトップYouTuberも散見されるなかで、極めて高い動画再生数を維持し続けているスター集団だ。
メンバーについて簡単に説明すると、リーダーの「てつや」はなかなかのイケメンながら、過酷な“十字架(罰ゲーム)”もよろこんでこなすエンタメ人間。YouTuber界随一のギャグマシーンで、奇行も多いが優しいパパでもある「しばゆー」、長身イケメン(本人は否定)でクリーンなイメージだが、怖いものなしで意外と無茶をする「りょう」、ポンコツ扱いされることも多いが、歌にモノマネと芸達者な「としみつ」、大酒飲みかつ癒し系という意外と珍しいキャラクターで、ラジオの経験でトークのキレも増している「ゆめまる」、そして、元小学校教員という異色のキャリアを持ち、見た目も優等生的でありながら“サイコ”な言動や企画も冴える「虫眼鏡」の6人でフルメンバーだ。
活動の規模が大きくなれば、何かと便利な東京に拠点を構える動画クリエイターも多いなかで、東海オンエアは地元にこだわり続けてきた。それゆえに岡崎市内にはファンの「聖地」になっているスポットが数多くあり、例えば、彼らがよく足を運ぶラーメン店は常に大行列。決して品行方正なグループではないが、仲間内でリスクを取り合って無茶をする企画が多く、基本的に周囲に迷惑をかけないこともあってか、岡崎市から正式に「岡崎観光伝道師」に任命されている。「YouTuber」という言葉にいいイメージを持たない人も少なくないと思うが、東海オンエアは地元を愛し、地元に愛される存在なのだ。
当然、地域に迷惑をかけないようファンにも節度を持った行動が求められるが、岡崎をたびたび訪れていれば、メンバーに遭遇する可能性は決して低くない。SNSやVlogで“聖地巡礼”の様子を伝えるファンは数え切れないほど多く、岡崎市の取り組みを見ても相当程度、観光客の誘致に貢献していると思われる。そして、その際のガイドとなる本があれば……という需要を満たすのが、今回の『るるぶ東海オンエア』だといえる。
おそらく、東海オンエアが簡単なインタビューに答えているだけの『るるぶ岡崎』でもヒットしたと思われるが、今回はがっつりタッグを組み、名物企画「寝たら”即帰宅”の旅」や「46道府県旅行の旅」で訪れた“遠征先”の情報も網羅。もちろん、岡崎市を徒歩・自転車・車で巡れるモデルコースの紹介、メンバー御用達グルメ&店主のコメントやサインスポットの紹介もあり、岡崎という土地をより身近に感じることができる。