『タコピー』作者の新連載『一ノ瀬家の大罪』が描くのは、希望かトラウマか 次号に向けて高まる期待

 本日11月14日発売の「週刊少年ジャンプ」50号で、新連載『一ノ瀬家の大罪』がスタートした。『タコピーの原罪』で大ブレイクしたタイザン5による期待の新作で、先週号の発表から話題となっていた。

 最新号のためネタバレは控えるが、事前の告知文には「新時代ホームドラマ」とのキャッチコピーと、簡潔なあらすじとして「事故で記憶を失った翼は家族と再会するが!?」との記載があった。実際に第一話を読んでみれば斬新な設定に興味が湧き、早くも次回に期待が高まる内容だ。

 前作『タコピーの原罪』はマンガアプリ「少年ジャンプ+」に掲載された作品で、容赦のない残酷な描写から“鬱マンガ”として話題をさらった。おそらく、「話題に乗って『タコピー』の序盤数話を読んだことがあるが、最終話まで読了はしておらず、タイザン5の読み切り作品等も読んだことがない」という人が相当数いるだろう。

 そういう人たちにとっては、タイザン5は尖った作風でカルト的な人気を得ている作家に思えるかもしれない。しかし、現在も「ジャンプ+」に掲載されている『ヒーローコンプレックス』や『キスしたい男』という読み切り作品に触れ、『タコピー』をエンディングまで楽しんだファンからすると、実はキャラクターに愛があり、フックのある物語を希望のある形で締め括ってくれる作家だという信頼感があり、読者はいくつかのレイヤーに分かれそうだ。

 つまり、「何も知らず可愛い絵柄に惹かれて読み始めたところ、不意打ちの展開に衝撃を受ける読者」「『タコピー』のトラウマから、何が起こるんだと警戒しながら読んでいく読者」「酷いことが起こりそうだが、それを乗り越えた先に希望があると信じる読者」という、大きく3タイプの読者をどう楽しませ、どう裏切っていくのか、というのがひとつの注目点になるのではないか。

 『一ノ瀬家の大罪』は「ホームドラマ」の言葉通り、比較的明るくあたたかいムードで始まっているが、タイトルからも漂う不穏でただごとでない状況が、1話ですでに提示されている。SNSでは早くも、「ハートフル」との紹介が、「hurtful=苦痛を与える、有害な」という意味なのでは、という考察も出ており、第一話から一筋縄ではいかない内容に関心が集まっている。センターカラーで掲載される次号を楽しみにしたい。

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