【ラノベ週間ランキング分析】『ベン・トー』のアサウラによる『リコリス・リコイル』ノベライズが1位

 ランキングでは、貧乏令嬢が名門公爵家のイケメン当主と契約結婚して始まる日々をコミカルに綴った、木野咲カズラのシリーズ最新刊『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 7』(アリアンローズコミックス)が2位、茨木童子と酒呑童子という鬼の記憶を持った2人が、浅草であやかしを守りながら暮らす友麻碧のシリーズの最新作『浅草鬼嫁日記 十 あやかし夫婦は未来のために。(上)』(富士見L文庫)が6位。結婚ものとして女性読者の支持を集めているようだ。

 3位の伏瀬『転生したらスライムだった件20』(GCノベルズ)、4位の『ソードアート・オンライン27 ユナイタル・リングⅥ』(電撃文庫)、5位の佐島勤『魔法科高校の劣等生 Appendix(2)』(電撃文庫)はいずれも人気シリーズからの新刊。テレビアニメ化が決まるほどの人気の佐伯さん『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件7』(GA文庫)も9位にランクインして、支持の高さを見せてくれた。

 2020年2月というから2年半も前に発売の一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫)が8位となったのは、7月29日になにわ男子の道枝駿佑と東宝シンデレラの福本莉子がW主演した映画が公開となったから。公開から1カ月以上も経っているが、原作が持つ魅力を主演の2人や共演者が増幅し、泣ける映画と評判になって、今も上映が続いていることが原作にも好影響を与えている。

 11位の八目迷『夏へのトンネル、さよならの出口』(ガガガ文庫)も同様に、9月9日公開の長編アニメーション映画が好評で、原作を読んでみたいと思わせたことが、発売から3年経ってのランクインにつながった模様。少し入っただけで外の何倍も時間が進んでしまうかわりに、願い事がかなうというウラシマトンネルをめぐって、それぞれに何かを求めている高校生の塔野カオルと花城あんずが、共同で謎に挑むというストーリー。映画はシンプルにカオルとあんずの関係に絞って描かれているが、原作にはカオルがおかれた境遇や、あんずの"その後"が描かれ映画を補完してくれる。観たら読みたくなる原作だ。

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