NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代状況を徹底解説! 『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』が発売
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が話題を集めるなか、その舞台の平安末期から鎌倉時代の複雑な状況や人間模様を徹底解説した『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』(坂井孝一)がNHK出版から発売される。
NHKで放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、物語はいよいよ後半に突入した。今回発売の『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』(NHK出版、2022年7月11日刊)では、頼朝の源氏、義時・政子の北条氏はもちろん、三浦義村・畠山重忠ら御家人から後鳥羽上皇までの人物プロファイルを網羅するとともに、政治・文化や武家の生活、戦いなどの最新研究を踏まえて「武士の世」の実像に迫る。
本書は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証チームのリーダーである坂井孝一氏が、1年間に12人、大河ドラマに登場する人物を取り上げ解説した、東京新聞「鎌倉殿をめぐる人々」の連載に大幅な加筆修正を行い、さらに多数の書き下ろしを加えたもの。
歴史事象には、さまざまな人々が関わっている。置かれた立場や状況によって人々の感情や行動は変化し、歴史事象に影響を与える。今回、歴史は人が作るものであるということを踏まえたうえで、著者は一人ひとりの人物史を明らかにする試みを行う。
第一部の人物考証編では、新聞連載時よりも人物数を倍以上に増やし、「源家(げんけ)の人びと」「北条家の人びと」「東国の有力御家人たち」「時代を騒がせた女性たち」「法皇・上皇と都の権力者」といったグループを設定。そのうえで、一人ひとりの人物ドラマを読み解いていく。第二部の歴史教養編は、本書のために書き下ろしたもので、平安末・鎌倉初期という時代の特徴や基本情報を解説。位階や官職にはどのような種類があったか、宣旨・官宣旨・院宣とは何か、頼朝軍の鎌倉入りはいつだったのか、といった『鎌倉殿の13人』を理解するうえで欠かせない時代背景についての情報が満載だ。
本書には、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時が駆け抜けた時代を、より深く理解するための歴史教養が詰まっている。三谷ドラマの後半をより楽しむため、本書で登場人物たちの物語について学んでみるのはどうだろう。
著者
坂井孝一 (さかい・こういち)
1958年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。現在、創価大学文学部教授。愛猫家。専門は日本中世史。平安末期・鎌倉初期の政治史・文化史、室町期の芸能史を主な研究テーマとする。著書に『鎌倉殿と執権北条氏―義時はいかに朝廷を乗り越えたか』(小社刊)、『承久の乱―真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書)、『源実朝―「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社選書メチエ)、『源氏将軍断絶―なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか』(PHP新書)、『源頼朝と鎌倉』『曽我物語の史的研究』『曽我物語の史実と虚構』(以上、吉川弘文館)など。
『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』 目次
はじめに
第一部 人物考証編
Ⅰ 源家の人びと
Ⅱ 北条家の人びと
Ⅲ 東国の有力御家人たち
Ⅳ 時代を騒がせた女性たち
Ⅴ 法皇・上皇と都の権力者
第二部 歴史教養編
文書で読み解く初期の鎌倉幕府
官職や位階にはどのような種類があったか
追討の宣旨・官宣旨・院宣とは
唐船建造と日宋貿易
『吾妻鏡』空白の三年間と鎌倉殿の継承
政「まつりごと」としての学問・音楽・和歌
政子は最後の七年間だけ「政子」だった
頼朝軍の鎌倉入りはいつだったのか
謎に包まれた敵討ち事件
多数の修行僧・僧兵を抱えた伊豆山権現
鎌倉の宗教的・精神的な核
頼朝はなぜ勝長寿院と永福寺を創建したか
おわりに
主要参考文献
書籍情報
書名:考証 鎌倉殿をめぐる人びと
出版社:NHK出版
発売日:2022年7月11日
定価:1,045円(本体950円)
判型:新書判
ページ数:304ページ
ISBN:978-4-14-088679-3
URL⇒https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000886792022.html
Amazon⇒http://www.amazon.co.jp/dp/414088679X