『シン・ウルトラマン』ヒットで読みたい、特撮ファン必見の“ウルトラマン小説”3選

 ウルトラマンが現れる前の『シン・ウルトラマン』における禍特対は、人間としての知識と自衛隊の戦力を合わせることで禍威獣を倒してきた。その状況が常態化した世界が舞台となっている小説が、山本弘の『MM9』(創元SF文庫)だ。『MM9-MONSTER MAGNITUDE-』のタイトルでTVドラマ化もされていて、監督として樋口真嗣監督や『ウルトラマンZ』の田口清隆監督が参加している。

 現れた怪獣がいったいどのような生態かを分析し、どのような攻撃が効くかを考えて対抗するところはまさに禍特対。怪獣を災害としてとらえ、勢力に応じた数字をつけたり発生順に番号を付けたりするところは、松本直也による漫画『怪獣8号』の源流とも言えそう。

 巨大な海蛇のように見える怪獣の意外な正体。「クトウリュウ」と名付けた気象庁観測史上最大の怪獣の圧倒的な存在感。「巨大フジ隊員」を思わせる怪獣も現れるなど、特撮ファンも納得の面白さを持った怪獣小説だ。

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