ヨル・フォージャー、ミカサ・アッカーマン、鬼塚一愛……漫画を盛り上げる“最強ヒロイン”を考察

 少年漫画において、主人公が他を圧倒するほどの“強さ”を見せるシーンは多く描かれるだろう。そんな主人公の存在感もさることながら、「ヒロイン」の存在も少年漫画に欠かすことのできない要素である。

 作品によっては主人公と同じくらい、もしくは主人公よりも強いのではないかと思われるヒロインが存在する。本稿では作中において「ヒロイン」という立ち位置でありながら強さが際立つ、魅力的なキャラクターの一部を紹介したい。

『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャー

 2022年4月よりアニメの放送が開始された『SPY×FAMILY』。西国で最も腕の立つ謀報員(エージェント)「黄昏」や人の心を読むことのできる少女「アーニャ」と共に、疑似的な家族を構成することとなった女性「ヨル」は強さが際立つヒロインのひとりである。

 公務員として働くヨルは幼少期に両親を亡くしており、弟「ユーリ」を養いながら生活をしてきた。そんなヨルは「いばら姫」の名で暗殺を続ける殺し屋である。殺し屋業を始めた理由はユーリを養うためであり、幼いころに殺人術を叩き込まれてきた過去をもつ。

 ヨルがはじめて登場した1巻「MISSION:2」では複数人の男性たちをひとりで一掃する姿が描かれ、大人しそうな第一印象とのギャップに多くの読者が驚いたことであろう。ちなみに身体能力の高さもさることながら、彼女の体は猛毒にも耐性もある。

 敏腕スパイの黄昏や超能力をつかえるアーニャなど、個性的なキャラクターが多く登場する本作においても底知れない強さを秘めたヨルの存在は際立っている。

『進撃の巨人』ミカサ・アッカーマン

 2009年から連載が開始され、社会現象を巻き起こした『進撃の巨人』に登場する「ミカサ・アッカーマン」もヒロイン的な立場でありながら、極めて能力の高いキャラクターだ。

 本作の主人公「エレン・イェーガー」の幼なじみであり、エレンをはじめとする多くの主要キャラクターが所属する訓練兵団を主席で卒業したミカサ。作中で彼女は並みの兵士100人と同じ力をもつと評されており、巨人と対峙するシーンではまさしく他を圧倒するほどの戦闘を見せつけた。

 勇ましい姿が印象的なミカサであるが彼女にも幼いころ両親を殺された過去があり、そのとき自身を救ってくれたエレンに特別な感情を抱いている。悲惨とも思える過去やエレンへの思いが彼女の力に昇華する様子こそ、ミカサの魅力のひとつとして挙げられるはずだ。

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