『東京卍リベンジャーズ』最終章はいつから構想されていた? 最新27巻に散りばめられた重要なエピソードを考察
「オレたちのリベンジ」という言葉が意味するもの
そして、27巻の最後に収録されている第242話で、タケミチは(その場にはいないマイキーに向かって)こう宣言する。(これから自分が創る)「チーム名は 東京卍會です」――なお、この時の彼は、かつてマイキーから譲り受けた東京卍會総長の特攻服(トップク)と、バイク(マイキーの愛車と“双子”のマシン)と向き合っており、そのこと(すなわち、ある意味では、東京卍會の“魂”は、すでにマイキーからタケミチへと継承されていたという伏線)からも、いま描かれている最終章の展開を、作者はかなり前から構想していたということがわかるだろう。
さらに、「二代目 東京卍會」の初の集会で、タケミチは仲間たちに向かってこう叫ぶ。「諦めていたものを取り戻そう!! これはオレだけじゃない “オレたち”のリベンジだ」
そう、ここに至って、ついに読者は、本作のタイトルが「リベンジャー“ズ”」という複数形であったことの“意味”を知らされるのだ。むろん、「タケミチの他にもタイムリーパーがいる」ということを示唆するための複数形である可能性はまだ捨て切れないが、しかし、私としてはやはり、『東京卍リベンジャーズ』とは、「オレたちのリベンジ」を意味するタイトルであってほしいと思う。
いずれにせよ、この27巻は、(SF的な謎解きや、派手なバトルなどの見せ場がないため)一見“つなぎの回”の集積に思えなくもないのだが、実は、最終章どころか、物語全体を通したうえでの、かなり重要なエピソードの数々が散りばめられているといっていい。
『東京卍リベンジャーズ』という物語があとどれくらい続くのかはわからないが、“諦めないやつらのリベンジ”の結末を、この目でしっかりと見届けたいと思う。