科学冒険マンガ『Dr.STONE』が教えてくれた大切なこと 丸5年での連載終了に寄せて

当たり前のありがたさを知る

 科学のおもしろさを伝えると同時に実感するのが、当たり前があることのすばらしさだ。

 なにげなく毎日口にしているパンだって、簡単に作ることはできない。広い世界の中で小麦を見つけることから始めなければならないのだ。

 「現代」を知らない者は千空の科学の驚き感激し、知っていたものは懐かしさに感動する。新しいものに出会う喜び、全てのものが当たり前だと思ってはならないことを実感させられる。普段は考えもしない、「『これ』がないことで具体的にどう不便なのか」を端的に教えてくれるのだ。

 絶望的な状況でも、それまでの“学び”と“構え”次第でワクワクできること、探究心や好奇心が生み出すもの。そして、毎日明日がちゃんと来ることへの喜び。『Dr.STONE』はそんな何気ないものの大切さをたくさん教えてくれた作品だった。

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