『王様ランキング』非力なボッジの闘い方が教えてくれるもの “強きをくじく”力とは?

※本稿にはアニメ『王様ランキング』(フジテレビ系)の「第十四話 王子の帰還」、ならびに原作コミック7巻までの内容について触れている箇所があります。ご注意ください。

 アニメ『王様ランキング』(フジテレビ系)の「第十四話 王子の帰還」にて、修行を終えたボッジがボッス王国にいるヒリングらのもとへ到着した。対格差のある相手を前に剣を構えるボッジの姿は、子ども用の剣さえ触れなかった過去と対比し胸を熱くさせる。

 ボッジの構える剣は王様を育てた実績をもつ「デスパー」との修行で得たものだ。刀身が極端に細いボッジの剣はまるで針のようであり、他のキャラクターがもつ武器と比べると異質さを覚える。

 ボッジが手にした剣が針のように細いのはなぜか。ボッジの剣にまつわる背景や意図するものを考察したい。

ボッジの闘い方とミツマタとの特訓

 修行後のお祝いとして街で食事をした際、デスパーは相手の弱点を的確にヒットできる才能から、針のような剣はボッジの非力さをカバーできる武器だと話している。

 確かに修行を終えたボッジは恐ろしい怪力と鋼の身体を持つ「ギガン」に対し、一突きで気絶させている。刀身が細く大きな力は生み出せないものの、素早く的確な一手により交戦することがボッジに合った闘い方なのだろう。

 5巻「第66話」では、ボッジが過去に3つ首の大蛇「ミツマタ」と共に特訓をしていたことが明かされた。投石をよける特訓の際にミツマタは感覚を研ぎすまし、気配や空気の動きを感じるよう助言している。実際にボッジは一斉に投げられた無数の石をすべて避け、1巻「第5話」ではダイダとの決闘においても攻撃をかわし続けている。

 ミツマタとの特訓からボッジは並外れた洞察力や瞬発力、そしてあらゆるものの動きを感じる力を身に着けた。そんな能力が相手の弱点を的確に突く、ボッジ特有の闘い方につながったのかもしれない。

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