矢樹純、身近な恐怖を描いた新作『マザー・マーダー』を語る 「自分の身に起こったら、どんなに怖いだろう」

ーーミステリーばかり読んでいたとおっしゃいましたが、映画はどんなものを見るのですか。

矢樹:ホラー映画が好きです。小学生の頃からレンタルビデオ屋さんのホラーコーナーを端から端まで全部借りたくらい好きです。『ハロウィン』シリーズや『エルム街の悪夢』シリーズ、実際のホラー体験を集めた作品なんかも片っ端から鑑賞しました。『バーニング』(1981年作、顔面に火傷を負った男性が大型のハサミで若者を襲うホラー映画)なんかも見ましたね。

 スティーブン・キングの作品もよく見ていました。大人になってから小説が原作だったことを知って驚きました。細かい描写がうまく、会話のやりとりも面白くて、貪るように読みました。こんなに才能豊かな人を映画でしか知らなかったなんて。

ーー矢樹さんの作品も、細かい描写が多いですよね。幸せな日常の描写とか、丁寧に書かれれば書かれるほど、それがいつ破壊されるのかと読んでいて緊張します。

矢樹:あ、私の場合はダラダラと詳細を書いてしまっているんです。担当さんに削られて、「あ、ここまで書かなくても良かったんだな」と気づくことがあります。情報の取捨選択は難しいですね。

ーー話は変わりますが、怖い作品を書くにあたっての工夫はありますか。たとえば、気分を盛り上げる音楽を聞くとか。

矢樹:私は無音でないと書けません。今はリビングで執筆活動をしているのですが、家族の生活音などがする場合は、川のせせらぎのようなホワイトノイズをかけることもあります。

ーー好きな音楽ジャンルがあったり、お気に入りのアーティストがいたりしますか? 

矢樹:音楽の趣味は結構偏っていて、中学校時代にブルーハーツ以外の音楽を聴かない時期がありました。かなり詳しくなって、そればかりをずっと聴いているのです。

 こだわりは音楽だけに限りません。小説にしても、これだと思った人の作品は徹底的に読みます。中学時代に星新一さんと赤川次郎さんの作品にハマったのですが、書店で取り扱われていない作品もあったので、古本屋を何軒もまわりました。今考えるとすごい執念なのですが、全部読むまで終わらせることができないのです。

ーーそのこだわりの強さや、絶対に楽しんでもらうんだという決意は作品にも表れていますね。では最後に、これから『マザー・マーダー』を手に取る読者の方に、注目してほしい点などがあれば聞かせてください。

矢樹:普通のミステリーの短編よりも一作一作に詰め込んでいるものが多いと思います。慣れていない方は読んでいて疲れてしまうかもしれませんが、ミステリーが好きな方には十分に満足していただけるはずです。

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