おすすめBLコミックレビュー 1月発売作品より『おしえて僕の神様』『君と運命についての話がしたい』の2作品を紹介 

フィクションではあってもファンタジーではない

 今回紹介した2作品に登場する「他人の期待、信頼に応えようと自分の意志に蓋をする」真心や、「マイノリティであることに息苦しさを覚える」幸史郎と響のような人は、現実にもきっといる。口に出していないだけ、なんなら自分が相談したり公表したりするに値しない人間だと思われているだけだったのではないか……。フィクションを通して、いかに自分が同じ時代を生きる人に関心がないのかを思い知らされた。

 もちろん筆者も「社会のことに目が向けられそうだ」と思って作品を手にとってはいない。むしろBLには、トキメキを欲している。なにより物語を読んでわかった気になるのは違うだろう。しかし物語の世界にどっぷり浸かり、キャラクターの心情をひも解くことで、彼らにそんな言動をとらせてしまったことにも目が向くこともある。さらに好きな作品だからこそ、チクリと胸を刺す、ハッとさせられるような自分の未熟さを素直に受け止められた。

 徐々に見かけなくなりつつあるものの「BLはファンタジー」という常套句がある。たしかに描かれている世界もキャラクターも、現実にはない。しかしこの言葉で割り切ってしまうのは、自分が気づいていないところで痛みや息苦しさを感じている人がいることから目をそむけ続けることとも言えないだろうか。フィクションではあってもファンタジーではない――。そう改めて考えさせてくれる作品との出会いも、BLは届けてくれる。

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