『東京卍リベンジャーズ』の次は『WIND BREAKER』? スタイリッシュなヤンキー像に注目
昨年の「次にくるマンガ大賞2021」でWebマンガ部門にノミネートされ、年末年始には渋谷街頭ウォールジャックが行われるなど、今着実に注目度が高まってきている『WIND BREAKER』(にいさとる)をご存知だろうか?
講談社の漫画アプリ「マガポケ」で連載中の作品で、街を守る集団“防風鈴(ボウフウリン)”としての一面を持つ不良校・風鈴高校を舞台に、新入生の桜遥(さくらはるか)が大切なものを守るために頂点を目指す物語だ。
ジャンルとしてはヤンキー漫画に括られる『WIND BREAKER』だが、読めば読むほど従来のヤンキー漫画にはなかった意外性や新たなヤンキー像に魅了される。今回はそんな新世代ヤンキー漫画『WIND BREAKER』の特徴について迫る。
彼らは街中から愛される”英雄”
まず、主人公・桜遥が身を置く防風鈴だが、街の治安を脅かす者を粛清することから、ヤンキーなのに街中から愛される”英雄”として描かれている。弱きを助け、強きを挫く防風鈴こと風鈴高校のヤンキーたち。この”強さを正しく使う”正義の味方のようなヤンキー像は、従来のヤンキー漫画でも描かれてきたが、防風鈴のメンバーたちは表立って行動していることもあり、とにかく街中から感謝、歓迎され、その姿はまるで水戸黄門だ。
昨年日本中を席巻したヤンキー漫画の代表格『東京卍リベンジャーズ』(和久井健)では、ドラケンの「"不良の世界" は不良の中だけで片付ける」というセリフが登場するが、まさにこの通りで、今まで描かれてきたヤンキー漫画の登場人物たちは表の世界から一線を引き、決して交わらない裏の世界の印象が強かった。誰かを守るために自分の強さを使うとしても、それはあくまでも不良の世界で。例え表の世界で誰かを救おうとも、手柄や正体は大体的には明かさない......そんな影のヒーローとして描かれていたように感じる。
一方で『WIND BREAKER』は、1話から街中の人間から感謝されるなど陽のオーラをまとう新しいヤンキー像を描いている。そんな彼らが見せる、勧善懲悪なストーリーの数々は見ていてとても清々しい。