生田絵梨花はピュアさを失わない 卒業記念メモリアルブックに見た、旅立つ寂しさと覚悟

いつまでも変わらないピュアさの証明

 写真集に見る生田絵梨花の良さは、表情にあると感じている。楽しむときは思いっきり楽しむ。嘘のない眼差しは、いつもまっすぐ輝いている。それは、13年ぶりに訪れた故郷のドイツ・デュッセルドルフで撮影された1st写真集『転調』と、ミュージカルの本場であるアメリカ・ニューヨークで撮影された2nd写真集『インターミッション』(講談社)も同様で、どちらの写真集でも、時期的な心情と目の前に広がる情景をありありと重ねた表情を見せてくれていた。

 本作では、「卒業旅行」のシーンで、箱根の温泉旅館でくつろぐ姿が見られる。(時期的な状況もあってだろうが)1st、2nd写真集とは違い、日本の風景に生田絵梨花が馴染んでいる。乃木坂46を旅立ったあとも、変わらず近い距離で笑いかけてくれるんだろうと、ホッとしたワンシーンだ。

 「DEPARTURE」パートにある、移動車のなかで撮られた純白ドレス姿には、恐らく多くの人が、”娘が結婚するときの親の気持ち”を体感したのではないだろうか。生田絵梨花の表情もまた、慣れ親しんだホームから新しい環境に旅立つ寂しさと覚悟を実感しているように見え、めでたさと切なさが入り混じる。

 けれど、ラストシーンで見せている笑顔は、デビューしたばかりの初々しさの残るあの笑顔と同じ形をしている。もちろん、顔つきは凛々しくなったし、あの頃よりも大人びた目元をしているが、やっぱり生田絵梨花は、どこに居ても“生田絵梨花”そのままなんだ。幼き頃に憧れたミュージカル女優の夢を叶え、今後、さらなるステージへ駆け上がっていったとしても、生田絵梨花のピュアさはずっと健在だ。このメモリアルブックが、そう教えてくれている気がした。

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