いま読むともっと面白い? 『ウォーリー』から『わかったさん』まで、あのころ学校にあった本たちを振り返る

真似したくなるレシピ 寺村輝夫『わかったさん』シリーズ

 児童書として長年人気を誇るのが『わかったさんのおかしシリーズ』と『こまったさん』のシリーズだ。不思議な事件に巻き込まれながら、わかったさんとこまったさんが美味しそうな料理やお菓子を作って問題を解決していくシリーズだ。

 巻末には、それぞれの巻で作られた料理やお菓子のレシピも掲載されている。子どもでも作れるようなわかりやすい説明がされているので、家族で作ってみたりするのも楽しそうだ。筆者も図書館から本を借りてわかったさんのアップルパイを作ろうとしたのを覚えている。今見てもかわいい、わかったさんとこまったさんの鮮やかなコスチュームも魅力的。大人でも、家の本棚に置きたくなるようなシリーズだ。

名コンビのハラハラする冒険 はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』

 比較的新しい作品だと、『都会のトム&ソーヤ』も上げておきたい。20代の人は特に、小学校や中学校時代に手に取ったことがあるという人も多いのではないだろうか。2003年から刊行されているシリーズ作品で、主人公は平凡な成績ながらもサバイバル術に長けた内藤内人と、大財閥グループの跡取りで頭脳明晰な竜王創也の中学生2人組だ。究極のロールプレイングゲームを作ることを目標に冒険を繰り広げる。

 内人と創也のテンポの良い会話と、いくつも張り巡らされた仕掛けにみるみるうちに引き込まれてしまうだろう。内人のセリフには、たびたび内人の祖母の言葉が登場する。これが大人にとっても、響くセリフばかり。冷静さと優しさを持った推理小説を読みたい時にはおすすめだ。

 幼い年齢の子どもが読む本だからこそ、学校の図書館にある本は、読むものを引き込み、素敵な視点を与えてくれる作品に溢れている。たまには昔読んだ懐かしの作品に立ち返ってみるのはいかがだろうか。

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