「週刊少年マガジン」連載作品の半分がラブコメになったのはなぜ? 編集長に聞く時代背景と戦略
マガジンのラブコメと言えば、いつまで遡るかにもよるが古くは(?)赤松健の『ラブひな』『魔法先生ネギま!』、ここ5年以内にアニメ化された作品でも『風夏』『五等分の花嫁』『彼女、お借りします』『ドメスティックな彼女』など無数に挙げられるが、これらを除いた今現在の売れ行きトップ作品は『カッコウの許嫁』が断トツ、『女神のカフェテラス』『甘神さんちの縁結び』がそれを追う勢いだという。
栗田氏にマガジンラブコメの特徴を訊くと「複数ヒロイン」と返ってきた。
それは今や普通なのでは、と思ったが、しかし、言われてもみればサンデーだと『トニカクカワイイ』や『よふかしのうた』『古見さんは、コミュ症です。』など本妻ひとすじな作品が目立つ印象があるし、ジャンプも『アオのハコ』の主人公は千夏先輩一直線だし、『あやかしトライアングル』もたくさん女の子は出てくるが花奏すずがメインヒロインポジションにいる。
少年誌というくくりで見ると、どのヒロインも基本的に並列な扱いでたくさん出てくるラブコメがマガジンに多い――つまり、ひとつの少年マンガ誌で無数のヒロインが見られる点は、たしかに雑誌としての特色だと言える。
直近のマガジンの展開について栗田氏に訊くと「またラブコメか! と思われるかもしれませんが(笑)、“また”ラブコメ新連載を仕込んでいます!」との答えが。
蠱毒のように数多のヒロインを放って競わせ、生き残った者だけが映像化され、世界に打って出る……そんな“ラブコメ闘技場(アリーナ)”イメージが浮かんできたが、私が今一番好きなマガジンのヒロインは『東京卍リベンジャーズ』の瓦城千咒なのだった。