『SLAM DUNK』のルーツとなったものとは? シカゴ・ブルズや『ドカベン』からの影響を考察

 2022年秋の映画公開決定で話題沸騰のバスケットボール漫画『SLAM DUNK』。多くの読者に影響を与えた作品であることは言うまでもないが、実は『SLAM DUNK』もさまざまなものに影響を受けている。今回はそんな『SLAM DUNK』の背景にあるものを検証する。

シカゴ・ブルズ

 『SLAM DUNK』のキャラクターやチーム設定に大きく影響したといわれるのが、アメリカNBAのシカゴ・ブルズだ。

 ブルズは1990年代、フィル・ジャクソン監督のもと、マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンなどを擁し、スリーピート(3連覇)を達成するなど圧倒的な強さを誇り、NBAの象徴的なチームとなっていた。湘北高校の赤と白を基調としたユニフォームは、シカゴ・ブルズに酷似している。

 花道のモデルは同じ“赤ボウス”でリバウンド王として活躍したデニス・ロッドマンであり、愛用したバスケットシューズ「エアジョーダン」は、マイケル・ジョーダンの名前と彼のニックネーム「エア」を合体させたもの。湘北の冷静沈着な監督が個性的な選手をまとめて勝ち進むというチームカラーもそっくりとの声がある。

 現在では90年代のブルズ、湘北高校バスケ部ともに、伝説のチームとなっている。時を経てさらに共通点が見出せるところもあるのかもしれない。

『ドカベン』

 水島新司原作の名作野球漫画、『ドカベン』も『SLAM DUNK』に影響を与えていると言われている。

 作者の井上雄彦が『ドカベン』の愛読者として知られており、『週刊少年チャンピオン』の企画で水島氏と対談した際には、「漫画を書くきっかけになった」と話したほど。また、桜木花道の豪快で自信に溢れたキャラクターは、『ドカベン』の岩鬼正美を彷彿とさせる。高校生たちが熱い試合を繰り広げ、読者を感動させる内容も似ているといえよう。

 野球というスポーツを掘り下げた『ドカベン』と、バスケットボールの人気を押し上げた『SLAM DUNK』。競技への貢献度も、共通している。

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