『呪術廻戦』「渋谷事変」が終結し、物語は「死滅回游」編へ 最新16巻は伏線が詰まった一冊に?

 6月4日、『呪術廻戦』のコミック16巻が発売された。発売前にから期待は大きく、公式も特設サイト「渋谷事変之景」をオープン。渋谷事変を五條悟、伏黒恵、釘崎野薔薇、虎杖悠仁4人の視点で時系列に振り返ることができるようになっていた。

※本稿には『呪術廻戦』最新16巻のネタバレを含みます。

 ファンたちの期待を一心に背負って発売された16巻では、10巻から続く渋谷事変が終結。偽夏油傑の正体も、加茂家の汚点であり史上最悪の呪術師・加茂憲倫であることが明かされている。とはいえ、「加茂憲倫も数ある名の一つにすぎない」存在で、脳を入れ替えることで他人の身体を乗っ取り、長い年月を生きてきた「羂索」こそが黒幕だ。

 「羂索」に関して本格的な説明があったのは『週刊少年ジャンプ』本誌145話であるが、16巻の扉絵で夏油のイラストに「羂索」と記されており、作者側も読者に共通認識として知っていてもらいたい事実なのかもしれない。

 そして、同作における全ての事象の黒幕として羂索は今後も登場するはずだが、夏油の姿で登場するのかは定かではない。同作では主要キャラであっても躊躇なく死亡していくため、もしかすると夏油の姿を見られるのもこれが最後……という可能性すら感じてしまう。

 偽夏油が獄門彊を持って姿を消したことで、一旦の幕引きとなった渋谷事変。16巻では、その次に描かれる新章「死滅回游」の序章が描かれている。そして、「死滅回游」が始まるにあたり欠かせないキャラたちが久しぶりに登場した。まず、渋谷事変の終盤で登場したのは九十九由基。東堂葵の師のような存在の彼女もまた、初対面時男性に女性の好みを聞いてくる。虎杖、脹相、西宮桃に裏梅の攻撃が当たりそうになった瞬間、「久しぶりだね 夏油君 あの時の答えを聞かせてもらおうか どんな女が好みだい?」と飄々と登場した場面では、彼女の実力の高さが伝わってくる。完全なる味方ではないものの、人類が呪力から脱却する未来を実現するため、高専側に付いた彼女はその後のストーリーにも関わってきている。

関連記事