アニメ化決定で注目『サマータイムレンダ』の魅力とは? SFストーリーの中で描かれる「生」への執着

生と死は常に背中合わせである

 『サマータイムレンダ』はできるだけネタバレのない状態で読んでほしい。それは、慎平と共に真相に迫っていく過程がこの作品の大きな魅力のひとつだから。

 物語の根底にあるテーマだけ伝えるとしたら、そのひとつが「生きるということ」であると思っている。死ぬことでループを繰り返すが、それは生きていてほしい人がいるからだ。生きるために殺す者もいるし、殺させないために戦う者もいる。それぞれが形は異なるにせよ、「生」に執着している。

 なんとなく、毎日生きている。多くの人が、明日死ぬとは思っていない。しかし、『サマータイムレンダ』では慎平と共に物語に没入していくがために、「死にたくない」「生きたい」という気持ちを強くし「生きていること」に安堵と心地よさを感じるようになる。

 刺激的なエンターテイメントであると同時に、生と死について改めて考えさせられる作品となっているのではないだろうか。

■書誌情報
『サマータイムレンダ』1〜13巻完結(ジャンプコミックス)
著者:田中靖規
出版社:集英社

関連記事