「ヤンキー=ダサい」の価値観を覆す? 『東京卍リベンジャーズ』が描く、“かっこいい”の王道

 いつの時代も、不変の人気を得ている「ヤンキー漫画」。『湘南爆走族』、『魁!!男塾』、『ろくでなしBLUES』、『今日から俺は!!』、『カメレオン』、『クローズ』……人気ヤンキー漫画を挙げればきりがない。どちらかといえばヤンキー漫画は昭和、平成初期に多かった印象だが、令和3年にも人気を博している作品がある。『東京卍リベンジャーズ』(講談社)だ。

 同作は『新宿スワン』の和久井健氏による作品で、2017年から『週刊少年マガジン』にて連載されている。主人公は、底辺フリーターとして生活をしている花垣武道、26歳。そんな武道が、中学時代の彼女・橘日向と弟の直人が凶悪集団・東京卍會の抗争に巻き込まれ死亡してしまうのを阻止するため、12年前にタイムリープして奮闘していくというストーリーである。2021年4月からはアニメ化もされており、より幅広い層の注目を集めていきそうな作品だ。

 だが、『東京卍リベンジャーズ』が盛り上がっていくのに反比例して、現実世界では“ヤンキー”と呼ばれる若者たちはどんどん減ってきている。作中にも「今って不良がダセェって言われる時代だろ」というセリフも出てきている通り、リアルの世界では「不良=かっこいい」という価値観は少数派と言えるのではないだろうか。だが、一方で、ヤンキー漫画自体は根強い人気があるのはなぜなのだろうか。

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