『SLAM DUNK』のヒロイン、あなたは晴子派? 彩子派? 二人の魅力を検証

献身的なサポートでチームを支える彩子

 『SLAM DUNK』には、もう1人のヒロインがいる。それが湘北高校バスケットボール部のマネージャー・彩子だ。

 彩子は湘北高校の2年生で、バスケットボール部唯一のマネージャー。パーマをかけた長髪とセクシーな唇が特徴的で、その明るく物怖じしない性格で部員を影から支えていた。元気で健康的な雰囲気や頼れる姉御肌な面から部内での信頼も厚く、まさにマネージャーの手本のような存在だ。

『SLAM DUNK』 完全版5巻(集英社)

 特に彩子と関係が深いキャラクターが、PG(ポイントガード)を務める宮城リョータである。同級生である2人だが宮城が彩子に惚れているため、彩子の言動は宮城にとって効果抜群。山王工業戦にて湘北高校は山王工業伝家の宝刀、ゾーンプレスにハマり、後半開始早々14点もの差を付けられてしまう。ゾーンプレスの突破口が開けない中、湘北のボール運びを担う宮城は悔しさと焦りを見せていた。そして取られたタイムアウト。湘北の名将・安西監督が出した作戦は、湘北の切り込み隊長・宮城リョータによる一点突破だった。チームメイトだけでなく本人も驚く中で、唯一笑みを浮かべる彩子。そして彩子はリョータの掌にマジックで何かを書く。その直後山王工業のゾーンプレスを単身で突破して見せる宮城。その掌には「No. 1ガード」の文字が刻まれていた。彩子は翔陽高校戦や山王高校戦において、宮城を鼓舞することで、何度もチームの司令塔の士気を上げてきたのだ。

 ほかにも桜木へのドリブル指導や、海南大附属戦の敗北後にチームで波紋を呼んだ「がけっぷち」など、彩子もまた湘北高校バスケットボール部には欠かせないキャラクターだった。

 数々の魅力的なキャラクターを生み出し、時代を超えてもなお愛される名作『SLAM DUNK』。その人気の影には、素晴らしい2人のヒロインの存在がある。物語のヒロインである晴子と、湘北高校バスケ部のヒロインである彩子。劇場版での2人の活躍も、ぜひチェックしてもらいたい。

■青木圭介
エンタメ系フリーライター兼編集者。漫画・アニメジャンルのコラムや書評を中心に執筆しており、主にwebメディアで活動している。

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