トマトの酸辣湯、塊肉のシンプルポトフ……料理家365人によるとっておきの“スープレシピ”に挑戦!
2/1 塊肉のシンプルポトフ
塊肉が値下がっているのを見るとつい、デーモン小暮閣下のような笑みを浮かべて「お前もトロトロに煮込んでやろうか?」と買い物カゴに入れてしまうほど、大きいお肉が好きだ。今回はレシピの2人前×2倍量を作るべく、豚バラ肉ブロックを400g用意し、調味料などもきっちり2倍で調理してみた。
弱火で煮込むこと30〜40分ほど。豚バラ肉を調理の20分前に冷蔵庫から出して室温に戻しておいたのも功を奏したか、程よい柔らかさに仕上がった。
ローリエ、コンソメ、塩こしょうだけの味つけなのに、野菜の甘味と豚バラの脂でコク深く、パンが止まらない。たくさん焼いておいたフォカッチャが吸い込まれるように家族の口に消えていってしまった。
2/20 ソーセージとキャベツのミルクスープ
ソーセージとキャベツをサッと炒め、牛乳を注いで弱火でやさしく煮込み、コンソメと胡椒で調味するだけで完成するミルクベースのクイックスープ。まだまだ寒い盛りの2月の朝、キッチンで足元が冷える間もなく完成するのが非常にありがたい。下ごしらえも「キャベツざく切り」の一手だけ。これなら、朝になかなか出てこない「やる気」もさほど必要ないだろう。
牛乳スープにまるく引き出されたキャベツの甘みに、春はすぐそこだなあと感じたのであった。
鍋ひとつで手軽に作れ、家にありがちな食材を活かせるのもこのスープ本の良いところ。上記の他にも、常備しているツナ缶で「ツナとじゃがいものクリームスープ」、お酒のアテに買って中途半端に残っていた瓶詰めのウニで「えびとうにの濃厚スープ」、お好み焼きで余っちゃった長いもで「長いものポタージュ」などを作ったが、どれも作者が異なるせいか、同じ本のものとは思えない個性が光っていた。特に朝食のレパートリーに悩むことが多い私は、また明日もこの本を開きたくなるだろう。
■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中のベーシスト/ライター/シュフです。趣味の料理本集めで見つけた、役立つ本を紹介します。Twitter。
■書籍情報
『365日のスープ 365人の「とっておきレシピ」をあつめました』
maraconi 著
定価:本体1,400円+税
出版社KADOKAWA
公式サイト