『呪術廻戦』虎杖悠仁×伏黒恵は”最高のバディ”だ 新しい形のライバル関係を考察

『呪術廻戦』(2巻)

 『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁と、その同級生である伏黒恵。2人の関係性が良い意味でいかんとも表現し難く、ワクワクする。

 同作の主人公虎杖は、都立呪術高専の1年生。もともとは、“呪霊や術式とは無縁の世界にいたすこぶる身体能力の高い普通の高校生”であったが、両面宿儺の指を食べたことによって呪力を手にすることなった人物だ。通常、宿儺の一部を食せば命を落としてしまうのだが、虎杖は自我を保ったまま宿儺を抑え込むことができる「宿儺の器」になる。一度は秘匿死刑を宣告されたが、五条悟の図らいで高専に入学し、現在は残りの宿儺の指を探し出すまでは死刑を執行しないという執行猶予がついている状態だ。

 一方の伏黒は、呪術界の御三家である禪院家の血筋を引く呪術師。自身の影絵から式神を呼び出す術式を使い、経験もそこそこある。作中では虎杖に陰に隠れてしまいがちだが、生得領域「嵌合暗翳庭」を披露したり、奥の手である「八握剣異戒神将魔虚羅」を呼び出したり、着実に成長を見せている人物である。

 この2人の間には、いわゆるライバルかつ戦友のような関係性がある。だが、これまで「週刊少年ジャンプ」にあったライバル・戦友同士とは少し違う。歴代の主人公とライバルの関係を振り返ってみると、表面上は仲が悪く、たいてい一方もう一方に突っかかっている構図が一般的ではないだろうか。『ドラゴンボール』の孫悟空とベジータをはじめ、『銀魂』の坂田銀時と高杉晋助もそうだし、『黒子のバスケ』の黒子テツヤと火神大我も、最初はお互いに良い印象を持っていない描写があった。

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