『ドメスティックな彼女』主人公・夏生の魅力とは? スキャンダラスな恋愛の中で光る「一途」さ

なぜここまで支持されるのか?

 陽菜との交際は両親にばれてしまい、終わりを迎える。陽菜も家を出て一人暮らしを始め、姉と弟の関係に戻った。夏生への気持ちを諦めきれない上に、瑠衣が夏生に惹かれていることを知っていた陽菜は、自ら身を引いて、ひとり、想いを抱え続けている。一方で夏生は、虚ろな心を支え続けてくれた瑠衣の想いに応えることを決めた。陽菜との恋を過去のものにした夏生は、瑠衣と歩む道を選んだのだ。陽菜との交際期間にも、瑠衣との交際が始まってからも、他の女性にうつつを抜かしたことは無かった夏生。大団円を迎える最終話まで、見守っていきたいと思う。今の世の中では認められそうにない行為が頻発しつつも、本作がここまで人気を得たのは、夏生の繊細な心理に寄り添った描写にリアリティがあったからに他ならないだろう。

■誉田優
フリーライター・記者。ドラえもんと共に育った生粋の漫画好き。
Twitter:@yu__honda

■書籍情報
『ドメスティックな彼女(26)』
流石景 著
価格:本体450円+税
出版社:講談社
公式サイト

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