高杉真宙、新田真剣佑、星野源……小説カバーや出版社フェアに選ばれるタレントの特徴

 まずひとつは知的な印象が出せること。明るく元気いっぱいというよりは、物静かで清潔感があるほうが望ましいような気もするし、読書をするプライベートな時間を意識させるために自然体でいる姿が魅力的な人物だと一層説得力も増すだろう。何より、彼らは先の見えない出版不況の中、少しでも読書を楽しむという行為に興味を持たせ、実践してもらための広告塔の役割を担うもの。本を読むシーンに違和感のない、本を持って佇む姿が絵になることが必須なのは間違いない。

 そんな視点で見ると、今後はどんな俳優たちが本の表紙やフェアのイメージキャラクターとしてふさわしいだろう。個人的には坂口健太郎や吉沢亮、宮沢氷魚、杉野遥亮など、透明感がありながらどことなくミステリアスさも感じさせるような顔が適任に思える。また、年齢こそ彼らより上だが、朝ドラ「スカーレット」の十代田八郎役で繊細かつ真面目な印象を残した松下洸平も、文庫本を片手に木陰で憩うようなシーンがきっと似合うはずだ。そろそろ幻冬文庫が今年の顔を発表する季節。誰に白刃の矢が当たるか予想してみるのも、面白いのではないだろうか。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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