【対談】家入レオ×Ryosuke“Dr.R”Sakai:アルバム『31』で訪れた変化 「全部が新しかった」“等身大の自分”で歌う喜び

「“もっと人生楽しんでいいんだ”と実感しました」(家入)
――ドキュメンタリー映像でも家入さんが泣いているシーンがありましたね。アルバム制作は実際にどんな様子だったんですか。
家入:本当にブートキャンプみたいな、頑張ることしかできない日々でしたね。今までは1曲を数週間、数カ月〜年単位で仕上げていたんですけど、Sakaiさんは曲の骨子を作るのが早くて、1日で2〜3曲作るペースで。歌詞はもちろんもっと時間をかけて制作していたんですが、どうしてもレコーディング直前に歌詞を書き上げて歌録りをした曲もあって。「パッと書いたものをパッと歌えないのは、日頃の音楽のやり込みが足りないんじゃないの?」と言われて、その通りだと思いましたね。だってSakaiさんをはじめ、周りの方たちはそのスピード感でできているから、私が今までやってきたことが通用しないんだと最初は絶望しました。「一生懸命やってるのはわかるけど、努力の方向性が違うぞ」と気づかせてもらえたんです。
Sakai:別に早く作ることが正義というわけではないんだけど、いい曲が早くできちゃうんでね。だからボイトレや体作りもいいけど、「もっと音楽をやろうよ」ということです。沖縄では5日で7曲作り、東京に戻ってトラックに歌詞を当てて、レコーディングは2回に分けて5日ずつ行いました。
家入:今までだったら2〜3日連続で歌録りをするなんて考えられませんでしたが、今の歌い方なら無理なくできるというのも発見でした。

――スタジオで泣きながら葛藤している家入さんを、Sakaiさんはどう見ていましたか。
Sakai:大変そうだなと思いつつ、スタジオにキャンドルを点けてみたり、YouTubeでパリの映像を見せて「こういう街を歩く気分で歌ってみたら?」とか、歌に集中できる環境を整えたりしていました。「Melt」を歌う時には「お酒でも飲んで歌ってみたら?」って提案したり。
家入:厳しいけど、優しい方。お酒を飲んで歌うなんて、喉に負担もかかるし、明日の声も心配だから、今まで絶対やらなかったんですけど……「1回全部やってみよう!」って(笑)。
Sakai:「Melt」はレオさんにとって新鮮な、健康的な色気みたいなものが出る曲だと思うんだけど、そんな人間の本能的な部分さえ、レオさんは頭で考えて出そうとするから。「色気とは!?」みたいなことを考えてやりたがるタイプなんですよ。
家入:本当にそう(笑)。「もっと人生楽しんでいいんだ」と、お酒を飲んで歌って実感しました。いつの間にか、応えなきゃ、頑張らなきゃって思いすぎていたんでしょうね。地元の福岡にいた頃の、ただ歌うことが好きで歌っていた自分を思い出しました。1回社会に出て凝り固まった心を溶かしていく、というか。泣くたびに、本来の自分に戻っていく感覚がありました。そうやってSakaiさんはいつも「大丈夫、できるよ」って、深刻にもならず、私がもがけるスペースを作ってくれて。本当に懐が深い方だなと思いますし、こういう愛の渡し方ってあるんだなっていうのを感じました。

家入レオの中に増えた“新しい引き出し”
――アルバムではまず「Echoes」から聴こえてきた家入さんの新しい歌声に感動しました。アルバム1枚を通して大きな挑戦を感じましたし、それでいてナチュラルな心地よさがあって。
Sakai:そう言っていただけると作った甲斐がありますね。
家入:「Echoes」は、歩んできた過去の先に今があって、過去も、今この瞬間も愛していこうというメッセージを込めていて。それによって、捉え方次第で“過去は変えられるんだ”と思えて。自分の歌い方と向き合ったからこそ、今の私の心と体のままで鳴らせる音楽になりました。ただ私としては、このアルバム制作でもがき切った感覚はありますが、完全にはまだ自分のものになっていない感覚もあるんです。『31』は今の私とちゃんと向き合えたアルバムなので、ここからまた新しい音楽との付き合い方を始めていきたいです。
Sakai:レオさん的には、新しいスタイルに挑戦して「もっとできるはず」と思ってるかもしれないけど、31歳のレオさんが一生懸命歌った歌だから、これが正解なんだと思う。歌って難しくて、完璧に上手ければそれでいいってわけでもないでしょ? 僕は時々、オジー・オズボーンの話をするんだけど。彼は声が特別にいいわけでも、歌が上手いわけでもないんだけど、ステージに生き様が出てて、すげえ沁みるんですよね。今の時代、音楽は超ニッチな嗜好品だし、多様化が進んでるわけだから、メロディやサウンドがいいのは当たり前だと思ってて。その先で、その人のファッションや人柄、生き様に興味を持ってもらうことってすごく大切なことだと思っているんです。だから『31』というアルバムで、家入レオという人の色味とか深みみたいなものが伝わったらいいよね。
家入: Sakaiさんに「音楽って楽しいよ」っていう当たり前の気持ちを思い出させてもらいました。自分で言ってて引くんですけど、楽しいとかハッピーとか、そういう引き出しも自分の中に増えた感覚があります。
――「Too Late」のドライな質感の歌声からも、大人の余裕を感じました。
家入:歌詞は苦戦しました。「全然等身大じゃない」って言われて。自分では小学生ぐらいから中身は変わってないつもりだけど、やっぱり社会や他人から見た自分ってちゃんと年相応で、そのズレに気づけたのは大きかったです。
Sakai:そこは大変だったけど、笑いながら〈今頃気づいたの?〉と歌えるカッコよさが表現できましたね。
――アーティストとして大きなターニングポイントになる作品だと思うんですけど、アルバム『31』を作り上げてみて、今どんなことを感じていますか。
家入:まだまだ音楽は楽しくなるなと実感しています。9月からのツアー(『家入レオ TOUR 2026 -Log:31-』)のリハが始まったんですけど、Sakaiさんも来てくださって。今まで支えてくれたスタッフと、アルバム『31』で出会った人たちが同じ現場にいるのを見た時に、いい流れの中にいるんだなと思えたし、これからがまた始まりだなと思えました。

――では最後にお互いにメッセージをお願いします。
家入:まずは「ありがとうございます」という感謝です。私がどんなボールを投げても、それがゴール外だったとしても、ちゃんと受け止めてくれた上で対話をしてくれましたし、これからの音楽人生を豊かにするきっかけになりました。デビュー前からお世話になった西尾先生(故・西尾芳彦氏)のことは今でも節目節目で思い出しますが、そういう人にまた出会えて嬉しいです。
Sakai:僕はいつも通り音楽を一緒にやっただけですけど、今のレオさんに必要な問いかけができたと思うし、それを乗り越えてこれからもっとよくなるはず。だから、一生もがけばいいじゃない(笑)。『31』はサウンドも歌詞も歌もいいものにできたから、家入レオを知らない人が聴いても「いい音楽だな」って思ってくれたら嬉しいですね。
家入:はい。私は音楽をして生きていけたらもうそれで十分。その自然な生き方に共感してくれる方にも、この音楽が届いたらいいなと思います。




◾️アルバム情報
家入レオ『31』
8月26日(水)リリース
配信:https://jvcmusic.lnk.to/31_AL
『31』特集サイト:https://www.jvcmusic.co.jp/sf/leo_ieiri/
【通常盤】CD/VICL-66165
価格:3,500円(税込)
<収録曲>
1. Overture(Log:31)
2. Echoes
3. We Could Be Something
4. Walk
5. Adieu
6. Rain Song
7. Remember
8. Too Late
9. Melt
10. Muse
11. Mirror(Edition 31)
12. Love In Me
【初回限定盤A】CD+Blu-ray/VIZL-2545
価格:8,250円(税込)
<収録曲>
CD:通常盤と同内容
Blu-ray:『TOUR2025 ~bulb~ @LINE CUBE SHIBUYA』
・Opening
・雨風空虹
・もし君を許せたら
・未完成
・恍惚
・Neon Nights
・love & hate
・Overflow
・パパの時計
・ラブレター
・君がくれた夏
・Silly
・祈りのメロディ
・Hello To The World
・Bless You
・Shine
・純情
・Pain
・Mirror feat.斎藤宏介
・サブリナ
・Documentary Film(TOUR2025 ~bulb~)
【初回限定盤B】CD+Photobook/VIZL-2546
価格:5,500円(税込)
<収録曲>
CD:通常盤と同内容+Photobook
【VICTOR ONLINE STORE限定セット】通常盤+レザーチャーム-Overture(Log:31)-
価格:5,260円(税込)
初回限定盤A+レザーチャーム-Walk-:価格:10,010円(税込)
初回限定盤B+レザーチャーム-Echoes-:価格:7,260円(税込)
全形態+レザーチャーム3種セット:価格:22,530円(税込)
◾️ライブ情報
『家入レオ TOUR 2026 -Log:31-』
2026年9月12日(土)神奈川 厚木市文化会館 大ホール
2026年9月22日(火祝)静岡 静岡市清水文化会館マリナート大ホール
2026年9月26日(土)福岡 福岡市民ホール 大ホール
2026年9月27日(日)兵庫 神戸国際会館 こくさいホール
2026年10月4日(日)香川 レクザムホール 小ホール
2026年10月10日(土)宮城 電力ホール
2026年10月12日(月祝)北海道 共済ホール
2026年10月16日(金)愛知 岡谷鋼機名古屋公会堂大ホール
2026年10月17日(土)広島 広島JMSアステールプラザ 大ホール
2026年10月25日(日)京都 文化パルク城陽 プラムホール
2026年11月5日(木)東京 LINE CUBE SHIBUYA
<チケット情報>
LEPYシート:13,500円(税込)
指定席:8,500円(税込)
◾️家入レオ 関連リンク
オフィシャルHP:https://leo-ieiri.com
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