「この事務所の史上最高傑作に」 KEY TO LITが誓うドームへの道ーー受け継ぐ伝統とデビューへの決意

「ジュニアとしての最後のステージです!」――東京・有明アリーナにて開催された『KEY TO LIT Arena Tour 2026 NEO CLASSICS』の8月23日昼公演、猪狩蒼弥はステージでそう叫んだ。中村嶺亜は「ここまで来るのに本当に色々ありました」と振り返り、岩﨑大昇は「この事務所の史上最高傑作と呼ばれる存在になりたい」と熱く語った。井上瑞稀は応援してくれるファンに対して「僕も人生を懸けて恩返しをしていく」と決意を固め、佐々木大光も「ありのままの自分を受け止めて、愛してくれてありがとう」と感謝を告げた。
STARTO ENTERTAINMENTのジュニア内グループとして、昨年2月に結成されたKEY TO LIT。5都市21公演で約23万8000人を動員予定の、彼らにとって2度目のライブツアーが7月より開催中だ。そして、公演6日前に今冬のCDデビューを発表した彼らにとっては、本ツアーがジュニアとしての最後のライブツアーとなる。
“NEO CLASSICS”を体現する5人の表現力

今回のツアーのテーマは、グループ結成以来掲げてきた“NEW & CLASSIC”をさらに進化させた“NEO CLASSICS”。受け継いできた伝統やDNAを大切にしながら、新たなエンターテインメントを追求していくという5人の姿勢が表現されている。火の鳥をモチーフにした公演ロゴは中村がデザインしたもので、「形を変えて伝統を運んでいきたい」という想いが込められているという。

そんなコンセプトを象徴するように、ステージは少年隊の「Act-Show」で幕を開けた。6月に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演した際にも披露された同曲。5人の軽快な歌とダンスが華やかなオープニングを作り上げる。そこから一瞬の暗転を挟むと、“奇”の文字が刻印されたカラフルな衣装にチェンジ。自己紹介ソング「KITERETSU FIRE」がスタートした。花道を渡ってセンターステージへ向かう5人の周囲では、金扇子や大漁旗を手にした総勢36名のジュニアたちが会場を盛り上げ、祭りのような熱気が生まれていく。“CLASSICS”にあたる先輩から受け継いだ楽曲で始まりながら、そこから一気に“キテレツ”な世界へ突入していく展開は、まさに本ツアーのテーマを体現するものだった。


続くオリジナル曲「Burn Down」では、「天下をとる」という5人の決意を感じさせる力強いパフォーマンスを展開。猪狩の鋭いラップ、岩﨑の伸びやかなロングトーンをはじめ、それぞれの個性を前面に押し出しながら激しく歌い踊る。そこからジャズコーナーへ移ると、ステージの空気は一変。少年隊の1999年のアルバム『Prism』に収録された東山紀之のソロナンバー「Be COOL」では、ジャケットを用いながらしなやかにジャズダンスを繰り広げる。「Burn Down」で見られるような力強さだけではない、5人の表現の幅広さに驚かされた。
そんな華麗なパフォーマンスで魅了しつつ、“キテレツ”な遊び心も健在だ。中盤には、岩井勇気(ハライチ)が脚本を手がけたコントコーナーが行われた。ライブについて楽屋で熱く言い争う4人を岩﨑がミュージカル風に仲裁しようとするのだが、4人は一向に歌い出さない。「早くミュージカルに入ってくれ」「これどういう状態」といった岩﨑の心の声が歌となって漏れていく一方、4人は普通に会話を続け、最終的には彼を置いて去ってしまう。ひとりステージに残された岩﨑の美声が響きわたるシュールな展開に、会場は笑いに包まれていた。彼の歌唱力の高さをこんなにも贅沢に、コミカルに使うのはKEY TO LITならではだろう。


公演内では、“NEO”にあたる新曲も続々と披露された。「Never Fade Love」は、KEY TO LITにとって初のラブソング。トロッコでスタンド席の近くまで向かった5人は、夏のきらめきを閉じ込めたような爽やかな同曲を届けていく。猪狩が中村にキスをするような仕草を見せたり、井上と佐々木が手を合わせてハートを作ったりと、メンバー同士がじゃれ合う姿も随所に見られ、会場にはピースフルな空気感が広がった。
テレ東系卓球テーマソングでもある「KEY 2 LIGHT」は、8月17日にデビュー発表の舞台となった増上寺で披露されたことも記憶に新しい。きらきらとしたポップサウンドに乗せて歌われるのは、ここまで歩んできた道のりを肯定しながら、これからも一緒に進んでいこうという前向きなメッセージだ。決して一直線ではなかった5人の歩みを思えば、その言葉の一つひとつが、今のKEY TO LITと重なって聴こえる。デビューという新たなスタートラインに立った5人が、ファンとともに未来へ進んでいく姿を思わせるステージだった。

さらに、猪狩と佐々木が振り付けを担当した「HIT THE DRUM」では、5人の持つエネルギーが一気に解き放たれる。攻撃的なビートに合わせた激しいダンスに、火花やスパークラーといった特効も加わり、会場の熱気は最高潮へ。“CLASSICS”と“NEO”を織り交ぜたステージは、先輩たちが築いてきたものを受け継ぎながら自分たちの色へと変えていく、KEY TO LITの姿勢をまざまざと感じさせるものだった。























