乃木坂46は記憶と記録を更新し続ける 結成15周年、“透明な色”から可能性を広げ続けた模索と飛躍の軌跡

“乃木坂46らしさ”の開拓と結成15周年の現在地

 振り返れば、乃木坂46の15年は“記録との並走”と表現してもいいだろう。2017年に「インフルエンサー」、2018年に「シンクロニシティ」で『日本レコード大賞』(TBS系)の大賞を2年連続受賞。オリコンの週間シングルランキングでは、7月リリースの42ndシングル『是非に及ばず』まで通算41作連続で1位を記録(オリコン調べ/※1)。同記録は更新中で、女性アーティストシングル連続1位獲得作品数およびシングル通算1位獲得作品数歴代1位(ともに現在の1位はAKB48の54作)も視野に入ってきた。CD売上、デジタルダウンロード、ストリーミングのポイントを合計した「オリコン週間合算シングルランキング」でも通算1位獲得作品数が全アーティスト歴代1位(通算20作)に輝くなど、女性アイドルという枠組みをはるかに超えた偉業を成し遂げている(オリコン調べ/※2)。

乃木坂46『是非に及ばず』MUSIC VIDEO

 そうした記録を支えてきた要素が、メンバー個々の個性と魅力だ。1期生の白石麻衣や橋本奈々未らはファッションアイコンとして人気が高く、若い女性の間で憧れの対象となった。同じく1期生の松村沙友理は『乃木坂って、どこ?』(テレビ愛知/日本テレビ系)でバラエティタレントとしての才能を開花させた。彼女らは従来のアイドルファン以外の支持も集め、それが乃木坂46のファン層の厚みにつながったと言えるだろう。

乃木坂46 『急斜面』Short Ver.

 また、良質な楽曲の世界観をさらに広げるMVも、乃木坂46を語る上では欠かせないだろう。山下敦弘(「君の名は希望」/2013年)、内田けんじ(「何度目の青空か?」/2014年)、山戸結希(「ハルジオンが咲く頃」/2016年)、沖田修一(「地球が丸いなら」/2018年)、今泉力哉(「日常」/2018年)など錚々たる映画監督を起用し、深い物語性を持った“作品”を次々と発表。こうした才気あふれるクリエイター陣との仕事を重ねる中で、たとえばグループ卒業後に『孤狼の血 LEVEL2』(2021年)で好演を見せるなど俳優として活躍する1期生 西野七瀬はじめ、メンバー個々の演技力や表現力が目覚ましく磨かれていった。こちらも映像作品が好きな層に対して抜群の訴求となった。

乃木坂46 『日常』Short Ver.

 この15年の活動の中で、グループを発信するツールとしてSNSの影響力も格段に上がった。中でも5期生 井上和はInstagramでフォロワーも約41万人を誇り、オフショットなどで見せる多彩な表情が脚光を浴びている。同じく5期生の一ノ瀬美空もInstagramのフォロワーは40万人以上に達し、プライベート感たっぷりの写真がユーザーの心を掴んでいる。両者ともに、SNSを通じて同世代を中心とした新たな層へ乃木坂46の魅力を届ける存在になっている。

 初期はまさに“透明な色”だった、乃木坂46。そこに、鮮やかな色をどのように乗せていくか。正解をひとつに絞らず、さまざまな答えを取り入れながらグループを形作っていった。そうすることでアイドルファンのみならず、多様なリスナーから愛されるようになったのだ。乃木坂46の15年とは、模索を繰り返しながら、その可能性を拡張し続けてきた年月だったのではないだろうか。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2470362/full/
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2470769/full/

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