小田和正「my home town」、平井堅「桔梗が丘」、エレファントカシマシ「地元の朝」……“故郷”を描いた名曲たち
最大9連休と言われている2026年のお盆休み。8月13日は盆入りにあたり、帰省などで多くの人が移動する時期でもある。そんな車や電車などで移動する際に欠かせないのが音楽だ。
久しぶりに故郷へ帰る人、地元を離れて休暇を過ごす人、いつもと変わらない場所でお盆を迎える人。それぞれの過ごし方があるなか、音楽を通して自分が生まれ育った場所やこれまで歩んできた道のりを思い返すのも、この時期ならではの楽しみ方ではないだろうか。
そこで今回は、故郷や地元、人生の旅路の歌をテーマにした、長いキャリアを持つアーティストたちの楽曲をセレクトし、紹介したい。
“大人になった”視点が滲む「my home town」、“迎える側”から故郷を歌う「桔梗が丘」
まずおすすめしたいのが、小田和正の1993年リリース曲「my home town」。ノスタルジックなメロディと小田の伸びやかな声が溶け合う同曲では、生まれ育った街の変わりゆく様子と、かつての姿を懐かしむ気持ちが歌われている。歌詞にも登場するように、小田は自身の出身地である横浜を思い浮かべながら楽曲を制作したのだろうか。〈できたばかりの根岸線で 君に出会った〉と振り返る一節からは、長い年月を経た“大人になった自分”の視点が感じ取れる。街並みは変わり、そこに暮らす人も変わっていく。それでも記憶のなかにある故郷の風景は失われない。具体的な風景を描きながらも、リスナーがそれぞれの故郷に置き換えて聴くことができる、普遍性を持った楽曲だ。
平井 堅が故郷の地名を曲名に採用し、2013年にリリースした「桔梗が丘」は、親子愛が綴られた1曲。印象深いのは、同曲が親目線で歌われているところ。〈「ただいま」の声が小さい時は/心配で仕方が無いんだけど〉という歌い出しからは、いつまでも我が子を案じる親の気持ちが感じられる。さらに〈ここだけはあたためておこう〉という言葉にも、「子どもがいつ、どんなときでも帰ってくることができるように」という親の真心が映し出されている。故郷とは必ずしも街並みや建物だけを指すものではなく、自分の帰りを待ってくれている人の存在によって形作られるものでもある。帰省する側ではなく“迎える側”から故郷を描いているからこそ、お盆の時期に改めて聴きたくなり、実家に帰ったときの「ただいま」という挨拶をいつもより優しく、温かく言おうと思わせてくれる楽曲だ。