TOAST CLUBにBlack petrolが聞く、サウスロンドン・Windmillの真実 “ポップなジャズフュージョン”でつながる2組の対話
TOAST CLUBの音楽に感じる“フルティガー・エアロ”との接点
ーー最新リリースのEP『Lift』のコンセプトを教えてもらえますか? また、その中で日本のファンに絶対チェックしてほしい1曲を挙げるとしたら、どんな曲ですか?
チャック:昨日、僕らが思いついたフレーズを使うなら、「“航空”をテーマにした“脱出”」と表現できるかもしれない。全体的に飛行機、空港、そういうモチーフに溢れているんだよ。例えば、「Cafe Pacific」という曲があるんだけど、それは航空会社のキャセイパシフィックの名前をもじってできた曲なんだ。
絶対チェックしてほしい曲は「Caaalifornia」だね。この曲は、ダンスミュージックとジャズフュージョンの完璧なブレンドなんだけど、すごく珍しいのはダンストラックでありながら、ジャズの構成を持っているところだよ。そういう曲は、あまり多くないと思うんだ。だから、僕らのサウンドの進化という意味では、それを最も表現できている曲だと感じているよ。
トミー:「Caaalifornia」は本当にいろいろな要素が混ざり合っているんだ。ダンサブルなソロ、ボーカル、そしてスポークンワードも入っている。ラップとはまた違っていて、リズミカルなスポークンワード。そこが、ラップとはちょっと違う面白さになっていると思うよ。
ーーBlack petrolの皆さんは、EPのなかでお気に入りの曲はありますか?
SOMAOTA:僕はさっき話題に出した「Mean Girl」ですね。
takaosoma::僕も同じです。僕がこのEP『Lift』を聴いて感じたのは、根底に「反復」があるということなんです。ずっとループだな、と。ジャズやフュージョンって、日本のリスナーからは「エゴイスティックな音楽」だと捉えられていることが多いと思うんですよ。理解を求めようとしないというか、複雑さそのものが美徳になっているような音楽だと。だけど、TOAST CLUBがやっている、ジャズやフュージョンに影響を受けたサウンドを最初に聴いたとき、僕はWindows XPやWiiのゲーム音楽みたいな、あの時代のデジタルなインターフェースの雰囲気を指す「フルティガー・エアロ」というジャンルに近いなと思ったんです。そして、彼らはsus2やsus4といったコードの使い方がすごくうまいという話を、今日ここに来る車のなかでも僕らでしていました。
さっき、トミーさんが「電車に乗っているときの、駅ごとの音が面白い」と話してくれていましたよね。そういうものに面白さを感じているのって、TOAST CLUBの制作スタイル自体が「環境をデザインする音楽」だからじゃないかと思うんです。飛行機や空港へのワクワク感と同じように、聴き手を取り巻く環境そのものをワクワクさせる方向にデザインしていく音楽。それがTOAST CLUBなんじゃないかと。そこがフルティガー・エアロと考え方が似ていると感じていました。
安原大貴:それこそsus4やsus2がちょこちょこ使われていることで、EPのコンセプトとも相まって浮遊感が出ているというか。
トミー:僕らは、リスナーをどこか別の場所、あるいはある感情や情緒に運びたい。そういうことをずっと考えて曲を作っているんだ。だから、いま「フルティガー・エアロ」の話をしてくれたのが、すごく嬉しくて。アナトール・マスターというアーティストがいるんだけど、彼の美学はまさにあのスタイルなんだよ。「人生が『Wii Sports Resort』みたいになる」、そういう感覚というか。音楽におけるある種の現実逃避だよね。
チャック:付け加えるとすれば、僕らの音楽がそうなっている理由、特に「Mingle」という曲において言えることなんだけど、「Mingle」はハーモニー的にちょうどいいバランスのテンションがあるんだ。だからこそ、自己陶酔的な繰り返しの音楽にはなっていない。あの曲はひとつの旅路のように展開していく。でも、聴き手を「招き入れる」感覚もちゃんと保たれている。クレイジーだけど、いきすぎない。そういう絶妙なバランスの曲だと思う。
「イギリスの音楽を愛してくれているように、日本の音楽を心から愛している」
ーー今回のTOAST CLUB初来日公演のステージは、両バンドにとってどんな意味を持ちそうですか? また、この日を出発点として、それぞれ次に見据えている展望を語っていただければと思います。
takaosoma:今日はWindmillの話をたくさん聞いていたから、もう「頼もう!」って感じで。挑戦状というか、僕もWindmillで戦ってみたいなと思っています。やっぱり、どうしてもイギリスに対して憧れがあるんですよね。イギリスにはカルチャーがあって、音楽が育つ土壌がある。そういう地盤がある向こうに対して、僕らは「個々のはぐれ者が集まってできた集団」なんですよ。京都にはそういうライブハウスがあるわけでもなかったですし。だから、いま僕らは「Diaspora」というコンセプトを掲げて活動していて、イベントもその名前でやっています。
Diasporaという言葉に込めているのは、僕らはイギリスにはいないけれど、日本のなかでイギリスの音楽やカルチャーが好きな者同士で集まっている集合体、みたいな感覚なんです。だから、この日本で育てた感覚を本場に持ち込んで、向こうの人たちに何かしら驚いてもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいなと思っています。
チャック:初来日のステージは、僕らにとって計り知れないほど大きな意味を持っているんだ。特に、TOAST CLUBの活動のこんな初期段階で日本に来られるというのは、あまり例のないことだと思う。だからこそ、いつかは日本各地をきちんとフルツアーで回りたい。大阪、京都、長崎...…そういう街を巡るツアーができたら、本当に最高だよ。
トミー:あと、皆さんがイギリスの音楽を愛してくれているように、僕自身も日本の音楽を心から愛している。それに、環境が音楽を形作るということを、いつも感じているんだよね。だから、日本で自分たちの音楽を演奏できることがすごく嬉しいし、ここに来られたことを誇りに思っているよ。
■リリース情報
『Lift』
配信中
レーベル:The Other Songs
配信:https://orcd.co/liftep
<収録曲>
1. Ascension Island
2. Caaalifornia
3. Cafe Pacific
4. Alexandria
5. Mean Girl
6. Lift Explained
7. Harry & Toby
<Music Videos>
「Caaalifornia (Official Visualiser)」:https://www.youtube.com/watch?v=FgEGx01Pwjo
「Mean Girl (Official Visualizer)」:https://www.youtube.com/watch?v=ob5hUHZJtE4
「Café Pacific」:https://www.youtube.com/watch?v=6-86QWBpeiU
■関連リンク
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■Black petrol リリース情報
『Diaspora」
2026年3月4日(水)リリース
https://orcd.co/blackpetrol_diaspora
■Black petrol イベント情報
Black petrol『Diaspora』
9月12日(土)KATA / Time Out Cafe
チケット:https://eplus.jp/blackpetrol/
【DAY】
18:00 OPEN 18:30 START@KATA
ADV.¥3800+1D /DOOR. ¥4,800+1D
(Act)
Black petrol
寺久保伶矢
【NIGHT】
22:00 OPEN@Time Out Cafe
DOOR. ¥2,000+2D /KATAでのDAYイベントご来場の方+2Dのみ
(Act)
Sakepnk
Shun Izutani (Re.)
takaosoma
SOMAOTA
■Black petrol SNS
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