賀喜遥香、遠藤さくら、井上和はなぜ写真集“10万部”を超えた? 売り上げ/内容面に表れる乃木坂46の存在感

乃木坂46 5期生唯一の10万部突破、井上和の感性と美

 そして、5期生で唯一10万部を超えているのが、2025年4月に発売された井上の『モノローグ』だ。“ミューズ誕生”をテーマに、イタリアのサルディーニャ島とローマで7日間にわたって撮影。地中海のビーチや歴史ある街並みを舞台に、乃木坂46のソロ写真集では最多となる256ページにまとめられた。

 井上は33rdシングル『おひとりさま天国』で、初めて表題曲センターを務めた。その後も36thシングル表題曲「チートデイ」、中西アルノとのWセンターとなった38thシングル表題曲「ネーブルオレンジ」でグループの中央に立っている。加入当初から端正なビジュアルで注目を集め、5期生を代表して音楽番組やライブの中心に立ってきた存在である。一方で、井上は絵を描くことやアニメ、美術への関心もたびたび語ってきた。『モノローグ』では、本人の趣味や感性をイタリアの風景と結びつけている。美しく佇む姿がある一方、食事を楽しみ、海辺ではしゃぐ少女らしい姿もある。同期の中心を担う井上と、まだ新しい表現を探している途中の井上。その両方の顔を見せたことが、写真集の深みにつながったように感じられる。

 また、井上と同じ5期生では、川﨑桜の『エチュード』(新潮社)や五百城茉央の『未来の作り方』(小学館)も好調な売れ行きを見せている。「オリコン上半期BOOKランキング 2026」の「写真集」ジャンルで売上1位となった川﨑の『エチュード』は、フランスのパリとニースを舞台に、彼女が持つ優雅さに加え、旅の中で見せた素顔も収めた一冊に(オリコン調べ/※1)。ポルトガルで撮影された五百城の『未来の作り方』では、親しみやすさや瑞々しさとともに、10代最後の姿が切り取られている。

 さらに、3期生の岩本蓮加、4期生の筒井あやめ、田村真佑らも、それぞれのキャラクターや成長を活かした写真集で結果を残してきた。同じ乃木坂46のメンバーでありながら、撮影地や作品のテーマ、そこで見せる表情はそれぞれで大きく異なる。このように世代やタイプの違うメンバーが、それぞれの持ち味を写し出した作品で支持を得ていることも、乃木坂46メンバーの写真集が継続して注目を集める理由の一つだろう。

 写真集の売上は、メンバーの人気を示す一つの指標にすぎない。それでも乃木坂46メンバーの写真集が長く支持されてきたのは、グループとして共有するイメージに寄りかかるのではなく、その人らしさや歩んできた時間を一冊の中に丁寧に写し出してきたからではないだろうか。メンバーごとに異なる魅力を、それぞれの物語を持つ作品として届けられることこそが、乃木坂46メンバーの写真集が注目を集め続ける理由なのだろう。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2456123/full/

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