賀喜遥香、遠藤さくら、井上和はなぜ写真集“10万部”を超えた? 売り上げ/内容面に表れる乃木坂46の存在感

 乃木坂46メンバーのソロ写真集が好調な売れ行きを見せている。近年も、3期生から5期生まで幅広いメンバーが続々と写真集を発売し、それぞれ大きな数字を残してきた。

 なかでも、現役メンバーによるソロ写真集で累計売り上げ10万部を超えているのは、賀喜遥香、遠藤さくら、井上和の3人だ。

 賀喜の1st写真集『まっさら』(新潮社)は20万部、遠藤の1st写真集『可憐』(集英社)は15万部、井上の1st写真集『モノローグ』(講談社)は12万部を超える売り上げをそれぞれ記録。発売時期が異なるため単純に比較することはできないが、3人はいずれも表題曲のセンターを複数回務め、現在の乃木坂46を最前線で支えてきたメンバーである。

宮古島と東京で魅せた、賀喜遥香の飾らない笑顔

 最も大きな数字を残しているのが、2022年6月に発売された賀喜の『まっさら』だ。撮影地は宮古島と東京。海のない栃木県で育った賀喜の「透明な海を見てみたい」という希望を受け、宮古島では白い砂浜を駆け、青い海を前に無邪気な笑顔を見せている。花に囲まれた衣装やアフタヌーンティー、得意なイラストなど、賀喜自身の好きなものも随所に盛り込まれた。一方、東京では背中の開いたドレスをまとい、それまでとは異なる大人びた表情にも挑戦。20歳を迎えたばかりの賀喜を、タイトル通り飾らずに収めた一冊となっている。

 賀喜は28thシングル『君に叱られた』で表題曲初センターを務め、その後も30thシングル表題曲「好きというのはロックだぜ!」、遠藤とのWセンターとなった34thシングル表題曲「Monopoly」、39thシングル表題曲「Same numbers」で中央に立ってきた。明るい楽曲では、その笑顔でグループ全体を華やかに見せる一方、ブログやラジオでは緊張や迷いも率直に言葉にする。センターでありながら、ファンにとって遠い存在になりすぎないのが賀喜の強みだろう。

 『まっさら』にも、そんな賀喜のキャラクターがよく表れている。堂々とポーズを決めた姿だけでなく、海にはしゃぎ、好きなものを前に表情を緩ませる。4期生の先頭に立つ賀喜と、アニメやイラストが好きな等身大の賀喜。その両方を一冊の中で見せたことが、長く支持されている理由の一つではないかと思う。

遠藤さくらが持つ儚さと繊細さ、『可憐』で見せた魅力

 遠藤の『可憐』は、22歳の誕生日である2023年10月3日に発売された。撮影地は沖縄と地元・名古屋。名古屋港水族館や吹奏楽部時代に立ったホールなど、本人の記憶と結びついた場所を巡る一方、沖縄では海辺やプールではしゃぐ姿、ホテルでの大人びた表情などを見せている。

 遠藤は、4期生が初めて選抜に加わった24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で、加入から間もない時期に表題曲センターへ抜擢された。その後も27thシングル表題曲「ごめんねFingers crossed」、賀喜とのWセンターとなった34thシングル表題曲「Monopoly」、37thシングル表題曲「歩道橋」でセンターを任されてきた。決して自ら前へ出ていくタイプではないが、ステージに立てば長い手足を活かしたダンスと、視線や表情のわずかな変化で楽曲の世界を伝える。乃木坂46が大切にしてきた繊細さや儚さを、立ち姿だけで感じさせることのできるメンバーという印象だ。

 だからこそ、写真を通して人物像を伝える写真集との相性もよかった。地元で見せる安心した笑顔や、昔と変わらない表情を収めることで、普段は見えづらい遠藤の内面が少しずつ浮かび上がってくる。新たなキャラクターを作るのではなく、遠藤がもともと持っている魅力を丁寧に掘り下げた一冊だった。

関連記事