SoulJa、シングルファーザーとしての日々 「複雑な気持ちはあった」ーー新曲に込めた娘たちへの愛と子育てのリアル

 2007年に「ここにいるよ feat. 青山テルマ」で注目を集め、翌年リリースのアンサーソング「そばにいるね feat. SoulJa」が大ヒットを記録し、“着うた”の時代を彩ったラッパー SoulJa。そんな彼は今、ふたりの娘を育てるシングルファーザーとしての毎日を送っている。

 父の日にリリースされた新曲「guess what? -大好きだよ-」は、SoulJaのリアルな子育て、そして娘たちへの愛を綴ったラブレターのような1曲だ。慌ただしい朝の風景、なんてことのない日々の交流、父親として至らない部分までをさらけ出し、〈Daddyはここにいるよ〉と飾らない言葉で愛情を伝えている。

 リアルサウンドでは、そんなSoulJaの今に迫るべくインタビューを行った。本作の制作背景から娘たちとの向き合い方、父親として、そしてラッパーとしての生き方について、赤裸々に語ってくれた。(編集部)

SoulJa『guess what?-大好きだよ-』(Official Music Video)

「まったくかっこつけてない」ーーリアルな日常を歌った新曲

――SoulJaさんの新曲「guess what? -大好きだよ-」が6月21日、父の日にリリースされました。ご自身のソロ名義でのリリースはかなり久しぶりですよね。

SoulJa:そうですね。自分名義で最後にリリースしたのは……もう正直覚えてないくらい前で(笑)。かなり時間が空いてますし、だからこそ、今回のような内容の曲で世に出ていくのもまたいいかなという思いはありました。そもそもはマネージャーさんといろいろお話ししてるなかで、「父の日に何か出せたらいいよね」みたいなアイデアが出て、すぐに動き出したんです。「ヤベ、全然時間ない!」って状況ではありましたけど、おかげさまで無事にリリースすることができました。

――実質の制作期間はどれくらいだったんですか?

SoulJa:1カ月くらいかな。今の自分の状況を曲にすることはすぐに決められたんですけど、お涙ちょうだいな内容にするのはちょっと違うよなって。そういう方向性であれば、案外作るのは簡単だったりするんです。でも、自分はそうではなく、ポジティブに聴いてもらえる曲にしたかったので、その落としどころを決めるまでに少し時間がかかりましたね。

――今回、この曲をきっかけにSoulJaさんがシングルファーザーであることが初めて公になるわけで。そこに関してはどんな思いがあったんですか?

SoulJa:正直に言えば、複雑な気持ちはもちろんありました。ただ、自分のまわりの人はほとんど知っていることではあるし、そういう状況を曲にすることで、いろいろと伝えられることもあるのかなという思いがあったんです。僕自身の感覚ではあるけど、シングルファーザーってまだ珍しい存在な気がするんですよ。日本はもちろん、アメリカでも珍しかったりするし。だから、実際にシングルファーザーとして頑張っている方々に対し、「決してひとりじゃないよ」とわかってもらいたかったというか。ひとつの家族の形として、「これもアリなんだよ」って知ってもらいたかった。僕が男だからシングルファーザーという視点ではあるけど、これをシングルマザーの曲として聴いてもらうこともできると思いますしね。たくさんの方に僕の思いが伝わったら嬉しいです。

――リリックに関しては、SoulJaさんの今の日常がかなりリアルに紡がれている印象です。

SoulJa:「自分をさらけ出した曲です」ということをよく言いますけど、この曲はまさにそうですよね。歌詞を見ていただくとわかりますけど、まったくかっこつけてないですから。というか、かっこつけられないわけですよ。娘たちが見たときに「ダディ、何言ってんの?」って言われちゃうから(笑)。1stバースでは自分の朝のルーティンのなかでのテンパりやちっちゃな幸せを書いていますけど、結構だらしない部分も見せちゃってますね。父親として勉強不足なところも赤裸々に書いてる。畳んでない洗濯物がイスに山積みになってるところなんかは、お叱りを受けそうで緊張しちゃいますよ(笑)。まあでも、それが今のリアルだし、父親としての自分に対してはちゃんと胸を張れるところもあるから、隠すことなくさらけ出そうという気持ちでした。

――SoulJaさんの過去曲を知っていると、ニヤリとさせられるフレーズも盛り込まれてますね。

SoulJa:そうそう。僕のことを世間の方に知っていただいたひとつのきっかけが「ここにいるよ feat. 青山テルマ」という曲だったと思うので、自分へのオマージュとして〈不器用〉という言葉で曲を始めたり、そのまま〈ここにいるよ〉っていうフレーズを使ったりもして。そこらへんはいろいろ考えながら書いていったところもありました。

SoulJa / ここにいるよ feat. 青山テルマ

――「ここにいるよ feat. 青山テルマ」のリリースは2007年でした。そこから19年が経ち、今のSoulJaさんは42歳になられて。物事のとらえ方や考え方に変化を感じる部分ってありますか?

SoulJa:自分は今もまだまだガキなところがあるので、基本は何も変わっていない気がする(笑)。でも、父親としては成長したかな。変化というよりは“成長”ですね。

――その成長はご自身の音楽に影響を与えています?

SoulJa:根本は変わっていないとは思います。でも、たとえば今パーティーソングを書くとしたら、昔とは言葉選びは違ってくるでしょうね。娘たちも僕の曲を聴くことがあるので、「こういうワードは使わないようにしようかな」みたいなことを考える気がします。でも、それは自然なことなんじゃないかな。10年前のリアルと今のリアルって、誰でも絶対に違っているものじゃないですか。それが成長だと思うし。最近アーティストさんに提供した楽曲で「Smile-幸せのタネ-」という曲を書いたことがあるんですけど、あれは子どもが生まれていなかったら書けなかったような気がしますね。そういう意味では、おかげさまで表現の幅は広がっているんだと思います。そう信じたい(笑)。

――今のSoulJaさんにとって、お子さんと過ごす日々の生活はどんな時間になってますか?

SoulJa:絶対的な“ライフ”です。もう、そうとしか言えないというか。もちろんチャレンジなことはいまだにいっぱいありますし、子どもに対しては決して嘘をつけないし、正直に言えば大変なこともいっぱいある。でも、だからこそ笑顔も余計に沁みるし、幸せなことをより幸せだと感じることができるんです。これこそが自分にとっての“ライフ”だなって、強く感じますよね。

関連記事