BLACK BERRY TIMESが発信していく生活とともにある音楽 結成秘話、二人のルーツに迫る

BBTが発信していく生活とともにある音楽

 柳沢碧人(Vo)と荻原蓮(Gt)によるネオソウルプロジェクト・BLACK BERRY TIMES(以下、BBT)。2023年2月、1stアルバム『FIRST LIGHT』のリリースと共に活動をスタートさせて以降、自分たちのルーツであるブラックミュージックを再解釈&J-POPへ昇華した楽曲を次々とリリースしている。当初は楽曲制作を目的として発足したプロジェクトではあったが、次第にライブ活動も本格化。2026年4月には、渋谷WWWにて自身初のワンマンライブ『Groove Delivery ONE-MAN PARTY』を開催し、総勢14名のスペシャル編成に4名のゲストボーカルを迎え、それまでの活動の1つの集大成を高らかに示してみせた。今回、柳沢と荻原にインタビューを行い、それぞれのルーツ、初のワンマンライブの手応え、また、ここから幕を開ける新章の展望について語ってもらった。(松本侃士)

星野源、嵐――二人の音楽のルーツは?

――はじめに、お二人それぞれの音楽のルーツから聞かせてください。まずは、柳沢さんからお願いします。

柳沢碧人(以下、柳沢):父親が車の中でかけていた音楽が自分のルーツになっていて、それが大きく2つあるんですけど、1つが70年代あたりのソウルミュージック。スティーヴィー・ワンダーとかアース(・ウインド&ファイアー)とか。もう1つがJ-POPで、aikoだったり、サザン(オールスターズ)だったり、平井堅や椎名林檎も流れていて。あと、お父さんのリアルタイム世代の音楽で言うと、いわゆる渋谷系の音楽。ORIGINAL LOVEとか、キリンジとか、そういうシティポップ路線の音楽も聴いていました。

 その後、自分で音楽を聴き始めるようになって、最初に好きだなって思ったのが、星野源さん。出会いは、車に乗ってる時に、ラジオで「桜の森」が流れてきた時でした。当時、この曲がパワープレイされていて、やけに耳に残るなって思って。頑張って調べて、星野源っていう人なんだ、すごいいいなって思って。ギリギリCD世代だったので、自分で初めて買ったCDも星野源さんでした。その後、いろいろ辿っていった時に、ブラックミュージックの要素とJ-POPの要素が混ざってることに気付き、自分がちっちゃい頃に車の中で流れてた曲と繋がるんだっていうところから、次第にブラックミュージックのほうを深掘っていくようになりました。

荻原蓮(以下、荻原):私も親の影響なんですけど、小学校に入るくらいの時から嵐が好きで。すごいいっぱい曲を聴いていて、人生で初めて行ったライブが嵐の東京ドームでした。iPodを親からもらって、その中に嵐の曲入れて、自分の妄想のライブのセットリストを考えてプレイリストを作ったりするのがすごく好きで。たぶん、自分の音楽に関するクリエイティブの原体験はそこかなと思いますね。小学生の頃はほぼ“聴き専”だったんですけど、中学校に入るくらいから音楽を作りたいと思うようになって。最初は、嵐が歌う想定の音楽を考えたりしてたんですけど、形にするためには音楽の知識が必要だってことに気付いて、そこから楽器や楽典を独学で学んでいきました。

――嵐がルーツというのは意外でした。嵐の楽曲の中で、特に好きな曲や印象深かった曲があれば教えてください。

荻原:特に好きなのが、『ARASHIC』というアルバムに入っている「Ready To Fly」というアルバム曲で、サウンド感がすごい好きで。ホーンとストリングスが入っていて、バックビート感を感じられるような曲です。今でこそブラックミュージックをよく聴いてますけど、その頃はあんまり意識せずに聴いていて。先ほど碧人が星野源さんの音楽をきっかけにブラックミュージックを掘っていったと話していましたが、今から思うと、自分にとっては、嵐の音楽が新しい音楽に興味を持つきっかけだったのだと思います。

“企画書”とともに結成されたBLACK BERRY TIMES

――そこから、お二人の出会い、プロジェクト発足に至る経緯について教えてください。

柳沢:出会ったのは、大学2年の春頃でした。もともと僕も、高校の時ぐらいから曲を作り始めるようになって、ずっと1人でDTMをしていたんですけど、自分のアレンジが少し物足りないなっていう感覚があって。大学に入って、もう少し大きな規模で誰かと一緒にやりたいなっていう時に、もともとの友人でシンガーソングライターの友成空くんから、アレンジができる人としてオギ(荻原)を紹介してもらって。そこから、2人で僕の昔の名義の曲を作って、その感触がけっこう良かったんで、2人でちゃんと音楽をやってみたいなって思って、アルバムを作る形でプロジェクトを始めたいんだけどどうかな? って企画書を持っていって。

荻原:その企画書がけっこうしっかりしていて。「1日の時間の流れをアルバムで表す」「ルーツの70年代、80年代のブラックミュージックをJ-POPとして昇華していく」といったアルバムのコンセプトがしっかりまとまっていて、さらに、仮のトラックリストと、何曲かのデモも既に作られていて。

――お二人のルーツが近いからこそ、意気投合するのも早かったのではないかと想像しました。

柳沢:たしかに。当時はそこまで考えていたわけではないのですが、今考えると、ルーツ的な音楽を、どれぐらいのバランスでJ-POPとしてアウトプットするかのバランス感がけっこう近いんだと思います。2人とも、音楽を作るなら多くの人に届くべきであるっていう思想がまずは前提にあって、その上で、ルーツをポップスに昇華していくという考え方で。

荻原:根幹の音楽における好きな部分が、近いのかなって思います。コミュニケーションをしていて、そんなに言語化して伝えなくても、なんとなくお互い感じ取れる。

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